第4話 オリーブ
スーパーマーケット「オリーブ」で駄菓子屋のお菓子を買うことに決めたエビスじいちゃん。
仕事が休みということで理貴も今回は付き添いである。
「オリーブ」の営業時間が午前9時30分から午後22時までである。
二人は車で移動して営業開始10分前に到着し駐車場の端っこの方に車を駐車した。
エビスじいちゃん「相変わらずここは大きいのう」
理貴「ここはオリーブだけじゃないからね。」
目的は「オリーブ」で駄菓子屋のお菓子を買うのが目的だが
ここは「オリーブ」だけでなく他の商業施設も集まっている大型のショッピングモールで
山形県東根市に住む星川家から約10km位離れているところにあるショッピングプラザAOZORA(あおぞら)である。
ショッピングプラザAOZORAは5階建てで1階が「オリーブ」と薬局屋があり、2階が家電量販店と服屋、3階がおもちゃ屋とゲームセンターである。
そして4階と5階は駐車場になっている。外にも駐車場があって二人はそこに車を止めたのだ。
ここだけで生活に必要なものが一通りあり、さらに娯楽まであっていたれりつくせりだ。
ショッピングプラザAOZORAの開く時間が午前9時30分のため「オリーブ」を含めどの店舗も一律この時間帯に営業が開始される。
定休日なしのため理貴が働く「オリーブ」はシフト勤務で前、中、後の3交代である。
前は午前7時から午後15時まで、中は午前9時から午後17時まで、後は午後15時から午後23時までが勤務時間である。
定休日なしとは年中無休というわけではなく臨時休業など休みの日もあり得るということであり営業時間も定められているのも特徴だ。
エビスじいちゃんは元「オリーブ」の従業員として今はどうなっているか期待に胸を膨らませていた。
故郷に戻ってきたかのような気分である。
時間は9時30分になりオープンした。
営業時間前に待っていたのは二人だけではなく他のお客さんがたくさんいてオープンしたと同時に押し寄せてきた。
エビスじいちゃん「すごい数の客じゃな!」
理貴「いつもこんな感じだけど今日はちょっと多いかもね。」
エビスじいちゃん「うちの駄菓子屋と比べたらえらい差じゃ…」
理貴「親父もここで働いていたんだから誇らしく思いなよ。」
エビスじいちゃん「そうだったな…さて1年ぶりかのう…お手並み拝見じゃ!」
車から降りたエビスじいちゃんと理貴は中へ入っていった。
理貴が中を案内するかのように前に立って歩きエビスじいちゃんは後ろに手を組んで歩いていく。
入口に買い物かごが積まれ、カートが並んでいる。
誰かに操られているかのように買い物かごをカートに乗せて前へと進み自動ドアが開く。
店内に入るとすぐとなりに焼き芋焼き機が置いてあり焼き芋の甘い香りがその先の青果コーナーへ客たちをいざなう。
客たちは青果コーナーに陳列されている麗しく色とりどりでみずみずしいフルーツと野菜に魅了されていく。
エビスじいちゃん「懐かしいのう〜このにおい、たまらん!」
焼き芋のにおいから当時従業員として働いていた記憶が蘇り懐かしむも新鮮な食材たちが若々しく今もこの店は健在であると見せつけてくる。
エビスじいちゃん「今夜は野菜鍋にするか!」
理貴「いいね〜」
なんと二人は店内に入って早々に夕食の食材を買い始めた。
二人はどんな野菜鍋にするか話し合う。
普段から仕事が終わった後、何を食べるか理貴が電話してきて相談して食材を買ったり
売れ残りで店に出すことができなくなった食材も許可を頂いて貰ったりしていた。
キムチ鍋の素をみてエビスじいちゃんはキムチ鍋もいいと話し出す。
野菜コーナーに野菜と一緒に鍋の素や回鍋肉の素や麻婆茄子の素が売られている。
調味料コーナーに売られているがこのように野菜と一緒に調味料が売られているなど
異なるカテゴリーの商品を揃えておいておくこの手法を関連陳列またはクロスセルと呼ばれている。
この手法を用いれば料理に関連した商品をその場でまとめて購入することができるので販売促進に繋がる。
まとめて購入できるだけでなく、どの食材で料理するかどのようなレシピを作るかについても消費者の選択肢やヒントを与えられるのも利点である。
「オリーブ」では、ある食材を中心に使ったレシピを日替わりで掲示されている。
今回はピーマンを中心に使ったレシピ、ピーマンの肉詰めである。
ピーマンは夏から秋にかけて収穫期のため大量のピーマンが出荷されているため安く売られている。
今それが山のように積まれて売られている。
山のように売られているピーマンはまさに山形県の鳥海山である。
エビスじいちゃん「お〜」
ピーマンが安く売られているのを見て従業員としていたあの頃のように商売魂が蘇る。
エビスじいちゃん「へい!らっしゃい!らっしゃい!ピーマン安いよ!!」
理貴「お!親父!?」
エビスじいちゃん「おっとお客さん?ピーマン買いどきだよ?」
エビスじいちゃん「ピーマンの肉詰めにするのはどうかな?」
エビスじいちゃん「青椒肉絲も回鍋肉もありですよ〜」
しれっとピーマンの陳列の隣に青椒肉絲の素と回鍋肉の素が売られていた。
それも見逃さず、アドバイスするエビスじいちゃんは長年働いていただけに目配り上手だ。
声をかけられた客は困惑してエビスじいちゃんの商売勧誘にゴリ押され仕方なくピーマンを何個か買い物かごに入れた。
エビスじいちゃん「毎度!」
おばあちゃん「健ちゃん!久しぶり〜」
あるおばあちゃんが喜んで足早にエビスじいちゃんに近寄ってきた。
エビスじいちゃん「あ〜どうもどうも」
おばあちゃん「急にいなくて心配だったんですよ〜」
このおばあちゃんはエビスじいちゃんを知る常連のお客さんなのだ。
常連おばあちゃん「やっぱりこの店には健ちゃんがいないとだね」
エビスじいちゃん「はは〜いやいや〜」
常連のおばあちゃんがエビスじいちゃんのことを健ちゃんと読んでいるのは、
昔からの客で長らく関わりがあり本名の星川健仁からそういう呼び名になったのだと思われる。
常連のおばあちゃん「寂しかったのよ」
エビスじいちゃん「すみません、ご心配おかけして」
エビスじいちゃんが戻ってきたのを知って客はどんどんこちらに集まってきた。
エビスじいちゃんを人を惹きつける魅力があるのかもしれない。
彼の熱い商売に客たちは惹かれて支持され愛されてきたのだ。
エビスじいちゃんが退職して「オリーブ」を去ってしまったときは多くの客たちは心配し悲しんでいたかもしれない。
なぜか売られている野菜たちは今日は特に活き活きとしていた。
安いからなのかピーマンの山は徐々に低くなった。
鳥海山から蔵王山ぐらいまで標高が低くなったぐらいか。
この後どんどん売れて一気に楯山まで低くなってそして真っ平になって売り切れになってしまいたい。
おばあちゃん「でも今日で健ちゃん復活だね!!」
エビスじいちゃん「いやいや待ってくださ〜い!あ〜やってしもうた〜」
「星川店長お久しぶりです!」
声をかけてきたのは従業員の玉井である。
玉井は現在、エビスじいちゃんの後を継いで店長をしている。
店内が騒がしかったので様子を見に行ったら元店長がいたということだ。
エビスじいちゃん「1年前に辞めたんです」
常連のおばあちゃん「え…そうなの」
玉井店長「今はこの私が店長を務めていますがまだまだですね。」
常連のおばあちゃん「戻ってきて健ちゃん〜」
他のお客さんたち「本当ですよ〜」「やっぱり落ち着かないっすよ!」
エビスじいちゃん「はは困ったな〜」
玉井店長「いつでも戻ってきても構いません。」
玉井店長「すぐに店長の座をお譲りしますので」
理貴(すげえな親父)
店長にまた戻ってきてほしいと言われるほどエビスじいちゃんの人望は厚い。
この「オリーブ」の元気印である。
そんなエビスじいちゃんを息子である理貴は誇らしく思っている。
店長だったエビスじいちゃんが去った後のこの店の「オリーブ」は活気がないとか鮮度が落ちたとか言われてちょっと売上に影響があったが
現在は玉井店長が支え売り上げは好調している。
理貴も他の従業員も頑張っている。
立て直せたのも「オリーブ」という全国で展開されている上位スーパーマーケットであるブランド力と認知度そして信頼があるからこそである。
この「オリーブ」はエビスじいちゃんこと星川店長の魅力と商売が付加価値を与え特別な店になっていたのかもしれない。
エビスじいちゃん「もうわしは年で体力は使い果たした。あとは若い人らに任せるわい」
常連のおばあちゃん「またまたうまいご冗談を〜」
常連のおばあちゃん「今の商売全然当時と比べても衰えていませんよ!」
玉井店長「面接とか履歴書とかはいリませんのでユニフォーム渡しますからすぐに仕事できますよ!」
エビスじいちゃん「いや〜勘弁してくれ〜」
蘇った商売魂が仇となったか、しかし常連のおばあちゃんが評価していたように衰え知らずの宣伝活動ぶりであった。
ユニフォームを着れば星川店長完全復活である。
玉井店長「奥様については改めてご冥福をお祈りいたします。」
エビスじいちゃん「実は妻が病気で介護のため退職しましたが今年の春に…」
常連のおばあちゃん「あらま…」
常連のおばあちゃん「もう!それを私らにも話してくださいよ〜」
常連のおばあちゃん「知ってたならお見舞いも葬式も行きましたよ!」
他のお客さんたち「水臭いですよ!」
エビスじいちゃん「あ〜すみません…」
エビスじいちゃんは後頭部に手を置いてぺこぺこした。
退職の理由を知った常連の客たちはお見舞いも葬式も行きたかったそうだ。
でもきっとみんなに悲しい思いをさせたくなくて気遣って言わなかったかもしれないが突然仕事をやめていなくなって客たちは驚いてしまわれたのだろう。
葬式は家族葬で行われたが玉井店長や他の従業員など仕事の仲間も来てくれた。
理貴「母が亡くなってここ数日は寂しくてそれでいて不思議な感覚でした。」
妻の恵美須が死去された後の数日は悲しさと寂しさなどの多くの感情が入り混じっていた。
賑やかで明るい「オリーブ」にいても理貴はそこで仕事が忙しくても寂しさを紛らわすことができなかった。
きっと新しい一歩を踏み出すことも新しいページを捲ることもできず立ち直るのに相当時間がかかっただろう。
玉井店長「いまは何をされているんですか?」
エビスじいちゃん「妻の願いを叶えるために駄菓子屋を半年前から始めたんじゃ」
常連のおばあちゃん「まあ素敵!」
玉井店長「見に行ってもいいですか?何か困ったことがあればできる範囲でお力になります。」
エビスじいちゃん「ありがとう!それは助かるな!」
理貴「ねえあれ聞いてみたら?」
エビスじいちゃん「そうじゃな!ショーケースとか余ってないかのう?」
可能な限り玉井店長もサポートしてくれるそうで冷蔵ショーケースが余っていないか聞いてみた。
一度は諦めていた冷蔵ショーケースがゲットできるチャンスかもしれない。
持つべきものは友ならぬ良き部下である。
店長時代のエビスじいちゃんに助けられ数え切れない程の御恩を現店長玉井は受けていたはずだ。
その恩返しに冷蔵ショーケースを譲ってくれるかもしれない。
玉井店長「予備のショーケースは一応ありますがあれは緊急時用にも替えにもなりますし」
玉井店長「それにあれは社のものなのでこちらの権限でお譲りすることはできかねます。」
エビスじいちゃん「あ〜そうかやっぱりダメか…」
理貴「うん…残念だね。」
玉井店長「早速お力添えできず、こちらもすみません。」
冷蔵ショーケースは株式会社ススメグルメフーズが管理されているものなので店長であっても権限はあちらにあるので
好き勝手に扱うことはできないということだ。
やはりジュースやお菓子を冷やして保存する策はしばらく保留にするべきだろう。
玉井店長「でも星川店長の駄菓子屋はどうなっているか見たいです。」
常連のおばあちゃん「お菓子買いに行くからね。」
エビスじいちゃん「大したことはないんで高みの見物をしながら気軽に来ておくれ」
とりあえず知人やかつての仕事仲間ではあるが駄菓子屋の新規顧客を獲得したと言えよう。
エビスじいちゃん「じゃが助かるできればわしの駄菓子屋を紹介してくれないか?」
エビスじいちゃん「名前は駄菓子屋エビス、わしの妻の名前が由来じゃ」
ここでも宣伝活動を怠らないエビスじいちゃん。
玉井店長「ここに来た目的は視察と買い出しですか?」
理貴「買い出し?あ!そうだ駄菓子屋のお菓子を買うために来たんだった!」
エビスじいちゃん「わしも忘れてた!」
二人共当初の目的を忘れていたようで
気づけば買い物かごには夕飯のための食材やお菓子以外の商品がかごいっぱいに入っていた。
もしかしたら目的を忘れて気づかず店を出ていったのかもしれない。
店内の魅了的な品々に誘惑され目移りしてしまう。
どの商品も値段が安く買い求めしやすくそれでいて品質も味もいい。
オリーブはモクセイ科オリーブ属の常緑高木で花言葉は旧約聖書やギリシャ神話に基づくものだが
平和、知恵、安らぎ、勝利という意味が込められている。
その花言葉を体現するように平和的で安らかな食卓と料理を通して知恵を与え健康的な生活を導くことを
スーパーマーケット「オリーブ」はコンセプトとしている。
そして勝利は社が掲げる顧客満足度1位を目指すという意味にもなっているのだ。
お菓子コーナーに行く途中、息子の理貴の仕事ぶりはどうか聞いた。
エビスじいちゃん「うちの理貴の仕事ぶりはどうかのう?」
玉井店長「う〜んどうでしょう?」
玉井店長は腕を組んで首を傾げる。
仕事に対して理貴の評価はカレーよりも辛い辛口なのか。
理貴「ちょっと私も頑張ってますって!」
理貴「昨日はあれ大変だったんすよ!」
玉井店長「でもあれはね〜」
玉井店長と理貴は仕事の話をした。
エビスじいちゃん(うん、ちゃんと仕事やっているな。)
それぐらい言われていてあのような仕事仲だから理貴は仕事を頑張っているのだとエビスじいちゃんは安心している。
お菓子コーナーに寄ってみると子どもたちの目を星のように輝かせるほどの圧倒的なお菓子の品数が豊富に陳列されている。
どれもこれも買いたくなってしまう。
駄菓子屋エビスよりもあるものが全て出揃っていて、ないものすらも全て持っている。
エビスじいちゃん「すごいのう〜」
改めてみると感激する。
エビスじいちゃん「うちは全然じゃな…」
また「オリーブ」と駄菓子屋エビスを比べてしまうエビスじいちゃん。
店内に入ってから違う世界に入ってきたような感覚である。
例えるなら緑いっぱいの田舎で暮らしていたが都会に来てビルや無数の建物が連なる光のパレードと大勢の人に流され引き込まれていってしまうようだ。
歴史を辿ればこの「オリーブ」も名前が違っていて小さな小売店だったのが
長い歳月を経て人々から愛され支えられたからこそ発展を繰り返し大きく成長したのだ。
差は歴然であり比べても仕方がない。
理貴「当たり前だろ親父」
理貴「すげえとこで働いて店長にまでなれたんだから誇りを持っていいんだぞ。」
エビスじいちゃんだって「オリーブ」の従業員として働き発展の一助になっていたのだから理貴に言われたように誇りを持ったほうがいい。
玉井店長「寧ろ助けてやっているんだと胸を張って言っていいんですよ!」
玉井店長「オリーブはみんなに支持されたからこそ今があるんですから」
理貴「そうっすよね!」
玉井店長「名残惜しいんでしたらいつでも店長をお譲りしますよ。」
エビスじいちゃん「こらこらそう言ってわしを店長に戻したがるんじゃから!」
お互い助けて助けられながらのよい関係を築いたほうがいいかもしれない。
「オリーブ」も駄菓子屋エビスの助けとなり力になって、駄菓子屋エビスも「オリーブ」の助けとなり力になってくれるだろう。
まずは駄菓子屋発展のためやれるべきことから始めるべきだ。
お菓子コーナーのお菓子を見てグミ菓子を調査する。
エビスじいちゃん「グミって今どきの子供は好きなのか?」
玉井店長「そうですね。ここ最近お菓子業界ではグミに力を入れて商品開発している企業も少なくありません。」
玉井店長「弾力のある食感と甘い味わいが大人にも人気のお菓子になっています。」
エビスじいちゃん「ほう〜結構売れてるんじゃな。スナック菓子とかチョコよりも」
玉井店長「まあここはそこそこですね。」
理貴「昨日在庫を確認した限りではここにあるので最後でしたね。」
玉井店長「うんそろそろ入荷する時期だね。」
話を聞いてみるとグミも人気のお菓子であることに間違いない。
昨日の子どもたちの指摘を受けたとおり今回はグミに着目しどのグミ菓子を買うか検討する。
エビスじいちゃん「ジューシーグミは知っておるぞ!売り出したときはここも少しは賑わっていたな。」
玉井店長「昔から売られてましたね。」
エビスじいちゃん「それにしては増えたな〜」
玉井店長「ここ最近種類が増えましたね」
エビスじいちゃん「見た目も変わったな」
ジュージーグミのパッケージを見たらみずみずしく果汁が弾けているフルーツの写真が写し出されている。
噛めば噛むほど甘い味が広がるジュージーグミの魅力をこのパッケージが引き出させてくれている。
いろんな種類の味がありさくらんぼ味のジューシーグミは山形県限定らしい。
玉井店長「こんなのもありますよ」
玉井店長は他のグミも推した。
理貴「スパークスライムもいいですね」
スパークスライムは甘酸っぱくて刺激のパウダーがやみつきになるスライムのような柔らかい弾力のグミである。
理貴「俺もよく食べてました。」
玉井店長「私も大好物ですよ。」
エビスじいちゃん「なるほどなるほど」
頷きながらスパークスライムというグミをジューシーグミと一緒に何袋か買い物かごに入れていく。
玉井店長「これもいいですよ、今年注目のグミです。」
玉井店長がおすすめするグミは「グニャボヨ」である。
理貴「今年新発売したグミっすね!」
「グニャボヨ」はハードグミである。
固くて弾力のあるグミで甘い味と合わせて子供も大人もやみつきになり注目を集めている菓子である。
味は1パッケージに2種類の味があり、コーラとソーダ、グレープとレモン、ストロベリーとアップルの組み合わせで売られている。
玉井店長「グニャボヨもどうですか?」
エビスじいちゃん「よし買いじゃ!」
「グニャボヨ」というお菓子も何袋か買い物かごに入れた。
玉井店長「毎度ありがとうございました!」
会計へと進んでお菓子でだけでなく他の食材も多く買い込んだので合計で約1万円ぐらいした。
駄菓子屋で売り上げたお金は全て使い切ってしまったが
これで子どもたちの期待に応えることができる。
エビスじいちゃんは子どもたちの笑顔を浮かべながら嬉しそうな顔をしていた。
食卓で使う食材と駄菓子屋で売るお菓子をレジ袋で分けた。
「オリーブ」を後にして実家に戻った二人は昼食の準備に取り掛かる。
家の台所で買った食材をレジ袋から取り出して整理していく。
するとエビスじいちゃんは「グニャボヨ」を1袋開けて中身を出した。
エビスじいちゃん「さてどんなものか早速食べてみようかのう」
理貴「それ駄菓子屋用のお菓子なんだけどいいの?」
エビスじいちゃん「いっぱい買ったんじゃから1つぐらいはいいじゃろ」
理貴「まあそうだね」
味見というのも兼ねてエビスじいちゃんは「グニャボヨ」のグミを1つ口に入れた。
グミを噛む粗食音が聞こえる。
エビスじいちゃん「ほうほう固いけど甘い味がするのう〜」
エビスじいちゃん「んにゃにゃ〜」
グミを噛んで粗食していくエビスじいちゃん。
しかし…
バキッ!!っと何か割れた音がエビスじいちゃんの口から聞こえた。
エビスじいちゃん「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
理貴「え?親父どうしたの!?」
エビスじいちゃん「歯が折れじゃっだーーーーーーーーーーー!」
理貴「なんだってーーーーーーーーーーーー!」
続く
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