ジュンコチャン

第19話 宿題奮闘記

8月に入り、順子ちゃんたちは夏休みを満喫している。
家族旅行や夏祭りや海水浴など夏休みならではのイベントがあり、
長期休暇だからこそできない家族や友達の楽しい思い出ができる。
暑い日差しを受け新学期を迎えるころには皆一皮剥けているだろう。
その前に夏休みにおいて忘れていけないのが宿題である。
宿題をやらなかったら、先生に怒られるだけじゃなく今後の付けが回ってきてしまう。
残った夏休みの宿題を持ち越されるか、通常の宿題よりも倍以上の宿題が出されるかなど
先生によって夏休みの宿題をやらなかった生徒に対するペナルティーは様々だ。
ペナルティーを受けたくなければ必ず宿題は終わらせよう。
そんな夏休みの宿題に追われている順子ちゃんたちをみていこう。


順子ちゃんは可愛い猫の絵柄がついたトートバックを持って自宅を出た。
母に12時までには帰るようにと言われた。
トートバックの中には筆記用具と夏休みの宿題が入っている。
彼女の行く先は萱場家である。
改めて夏休みの宿題の内容だが1年生全クラス共通で
ひらがなと漢字の練習プリントと計算問題のプリント合わせて50枚
絵日記と工作、そして読書感想文原稿用最低1枚以上である。
萱場家には何度か言っており宿題を持ち出して進めてはいるが
ほとんど遊びの時間に費やしてしまうのだ。
今のところ、順子ちゃんの進捗だが、ひらがなと漢字の練習プリントと計算問題のプリントをやって計10枚ぐらいしか終わっていない。
また絵日記は7月後半までしか書いていない。
絵日記を毎日書くのは面倒だが、何もない一日も当然あり、その日は何を書けばいいのかネタに困るということもある。
友ちゃんとその家族の萱場家は2LDK+Sのしっかりとした中堅のマンションに住んでいる。
家賃はそれなりに高そうではあるが友ちゃんの父親の年収がよいためそれ相応な暮らしができるのだ。
それでもあまり贅沢はできないらしい。
比べて順子ちゃんの家だが屋根瓦の中古の一戸建てである。
順子ちゃんの家の方が広いが、なんとエアコンがひとつもないのだ。
順子ちゃんの父と母は、共働きであるが収入面でエアコンを買う余裕がなく
エアコン本体の価格と設置費用とやらでお金がかかり、電気代も高くなることを恐れている。
エアコンの代わりに宮沢家はこの猛暑を扇風機で乗り切るらしい。
扇風機なら長時間回しても電気代は安い。
扇風機は室内の空気で風を作り涼しくしてくれるが室内の温度を下げることはできない。
エアコンは、扇風機とは違い室内温度を下げることができる。
ただ冷えた空気を出しているだけでなくエアコンには部屋の熱を外に追い出す構造が備え付けられている。
そのエアコンから出る冷えた空気を冷媒と言い、熱を温度の低いところから高いところへ移動させるために用いられる。
エアコンには室内機と室外機の二つありそれぞれ熱交換器と室内機と室外機を繋ぎ、冷媒を通すためのパイプが付いている。
室内機の熱交換器が部屋の熱を吸い込み、パイプを通って室外機へ、そして室外機の熱交換器で熱を外へ逃がし
熱を逃がした冷媒が部屋に入っていくのを繰り返して室内の温度を下げているのだ。
部屋を涼しくしてくれるエアコンだが、温度差による体調不良そして長時間の使用で電気代が高くなるリスクがあるので十分注意が必要だ。
夏休みといえど8月から季節は秋となり8月7日を過ぎ立秋を迎えている。
それでも気温は高く暑さはまだまだ現役だ。
虫たちも活発で蝉はミーンミンミンとメスへの求愛を求めて鳴き、蚊は人間たちの血を求め家屋へ浸入する。
順子ちゃんは田舎育ちで昆虫採集をしていて、一方的ではあるが虫たちと友好関係を築き上げてきた。
しかし今の順子ちゃんにとって虫たちは邪魔者なのだ。
セミの鳴き声が騒音のように聞こえ鬱陶しく感じることもあったり、蚊は耳元で羽音を出して嫌がらせをする上、
刺してきたら痒みも与えてきたりして彼女を苛立たせることに長けている。
セミの鳴き声はともかく蚊だけは家の中に入れさせないようにしたいが部屋の風通しを良くするためにも
窓を開ける必要があるのでそこから虫が侵入してしまう。
虫の侵入を防いで風を通しを良くする網戸があるが、窓が半開のままだと窓と網戸の隙間から侵入してしまう。
家に侵入した蚊が順子ちゃんの宿題の邪魔をし、夜の睡眠の妨げにもなるのだ。
順子ちゃんが抱える悩みは暑さと蚊からの妨害の他に扇風機の風に悩まされている。
扇風機の風が宿題プリントを飛ばしてしまうのだ。
暑さで宿題が捗らず、扇風機を使おうとすれば風で宿題プリントを飛ばし、ノートなら勝手にページをめくられてしまう。
暑さを凌ぐために扇風機は欠かせないが、どうも紙媒体や書物を扱う作業においては相性最悪である。
この暑い時期での作業はコンディションやモチベーションを維持するのにエアコンが必須と言える。
総じて冷房が効いている萱場家に行けば快適に宿題ができる上に絵日記のネタにもなって良いのだ。


「ピンポン」と萱場家にベルが鳴った。
玄関のベルのボタンを押したのは順子ちゃんである。
玄関に友ちゃんが出迎えた。現在午前8時半ごろぐらいである。
友ちゃん「おはよう順子ちゃん」順子ちゃん「おはよう友ちゃん」
友ちゃんの母「おはよう。お菓子あるからよかったら食べて」順子ちゃん「ありがとうございます。」
萱場家に行けば、おいしいお菓子やジュースを提供してくれる。
有名な食品メーカーのお菓子を買っておりどれもおいしく萱場家のお菓子を食い尽くしてしまうのだ。
中でも順子ちゃんは「グニャボヨ」というグミ菓子が気に入っている。
ガムを噛むのが大好きな順子ちゃんだったが、吐き出したガムを部屋の壁にくっつけて集めていたところを母である幸に
見つかり怒られ、それ以降ガムを噛んでいない。
彼女はグミと出会い、弾力と食感に心惹かれた。
家でも食べられるように、パッケージを持ち帰って母に見せて買ってほしいとお願いした。
しかし値段が200円以上するそうで拒否され自分のお小遣いで買うようにと言われた。
順子ちゃんは、そのグミ菓子にお小遣い全額分買ったという。
友ちゃんも順子ちゃん家である宮沢家に遊びに行くことがあるが
宮沢家はどこの食品メーカーかわからない安い素朴なせんべいと粗茶を提供している。
つまらないもので申し訳ないと順子ちゃんの母は言うが、友ちゃんはあまり気にしてはいない。
それはさておき、友達の家に来た目的はお菓子を食べることではなく宿題をすることだ。
友ちゃんは自分の部屋に順子ちゃんを招き、テーブルに夏休みの宿題を置いた。
順子ちゃんもトートバックから夏休みの宿題を取り出した。
ひらがなと漢字の練習プリントと計算問題のプリントと絵日記を持ってきている。
部屋は冷房が利いていて、ぬいぐるみやガーリーインテリアで可愛いお部屋に仕上がっていて清潔感がある。
ここなら宿題が捗りそうである。
友ちゃん「算数の方からやったら?」順子ちゃん「う~ん‥わかった」
友ちゃんから算数の科目に当たる計算問題の方をやるよう言われた。
どうやら順子ちゃんは国語の科目に当たるひらがなと漢字の練習プリントの方を先にやるつもりでいた。
ここは友ちゃんが言うように計算問題からやったほうがいいかもしれない。
ひらがなと漢字の練習プリントは自分の家で、暑くてやる気が出ず、頭が冴えなくても、何も考えずひたすら書くだけなので
頭を使う計算問題を中心にやるべきである。行き詰れば、友ちゃんに聞くこともできる。
余裕があればひらがなの練習をすべて終わらせてもいいだろう。
友ちゃんの進捗だがひらがなと漢字の練習プリントと計算問題のプリント合わせて50枚あるなかで
35枚以上のプリントを終わらせ、計算問題の方はすべて完遂している。
枚数の内訳だが、ひらがなと漢字の練習プリント25枚、計算問題のプリント合わせて25枚の半々に分けられている。
その中で友ちゃんは計算問題の方を終わらせており、残りはひらがなと漢字の練習プリントだけでそれも10枚以上は終わらせていて
ひらがなの分野は終わっているようだ。
宿題プリントの他の絵日記は昨日までの分がしっかり書き込まれていて、工作は自分の眼鏡をモデルにした段ボール製の眼鏡を作った。
眼鏡のレンズは透明のビニールで再現した。
つまり友ちゃんは工作も終わっているのだ。
友ちゃん工作の眼鏡だが、ぬいぐるみの熊さんにかけていてとてもおしゃれで可愛いかったので写真を撮ったらしい。
順子ちゃんは今日、友ちゃんがこんなにも早く夏休みの宿題を終わらせていたことを知った。
順子ちゃん「ねえ友ちゃん~算数のプリント見せて~」友ちゃん「それはダメよ。自分の頭で考えて解答しないと」順子ちゃん「ぶ~」
順子ちゃんは友ちゃんの計算問題プリントに書いた答えを見て書き写そうとしたようだ。
計算問題の答えはもらっておらず、新学期になってから先生が配るそうだ。
もちろん宿題がすべて終わっていることが前提だ。
友ちゃんが書いた答えが全て合っているかは、わからないが
いつも算数のテストは満点やそれに近い点数を取っているので信頼性がある。
しかし友ちゃんから自分で計算して答えるようにと言われた。
順子ちゃんは計算問題を自力で解くことにした。
小学校1年生の算数のレベルなら難しくないだろう。
今のところ順子ちゃんの成績は悪くない。ただのめんどくさがりなのだ。
順子ちゃん(友ちゃんすごいな‥私も頑張らないと!)
友ちゃんの夏休みの宿題の進捗に焦りを感じているようだ。
順子ちゃん「友ちゃんより早く終わらせてやるわ!」
この焦りが彼女の筆を進める潤滑油となる。
友ちゃんよりも早く夏休みの宿題を負わせると意気込む順子ちゃんに対し
友ちゃん「ふふやってみなさい!早く終わるのは私の方よ!」と余裕と強気な姿勢を見せる友ちゃん。
順子ちゃん「言うようになってね‥友ちゃん負けないよ!」
初めて会った時のか弱い友ちゃんはどこにもいない。
計算問題のプリントを進める順子ちゃんを見守りながら漢字練習プリント進めている友ちゃん。
友ちゃん「どこかわからないところがあったら教えてね」 順子ちゃん「ありがとう~答え見せて欲しいのが本音なんだけど~」
わからないところがあれば教えるという友ちゃんに頼もしさも感じる。だが答え自体を教える訳にはいかない。
順子ちゃんはまず自分の力で計算問題に取り組もう。
友ちゃんの夏休みの宿題の残りは漢字練習のプリント数十枚と絵日記に読書感想文だけだ。
入院していた時と比べてペースは落ちたが、ほぼ毎日机に向かって宿題をしている。
不可能ではないが、友ちゃんよりも早く終わらせたいなら倍以上のペースでやらないといけない。
必ず新学期の9月までには終わらせないといけないので、その意気込みで夏休みの宿題を終わらせてしまおう。
本日の彼女たちの予定だが、友ちゃんは読書感想文のため午前10時半に図書館に行って本を借りるそうだ。
順子ちゃんも同行するそうで、そこで宿題の続きをするようだ。
彼女たちが行く予定の図書館は、自習を許可している。
図書館内は空調やエアコンなど適切な温度に調整されており、
読書の妨げにならないように利用者一人一人がマナーを守って利用しているため静かである。
自宅では、勉強しにくい場合や集中的にやりたいときは自習が許可されている図書館を利用してみるのもいいだろう。
予定の10時半になったので図書館に行くことにする。


外を出ると暑い空気が押し寄せ、セミの鳴き声が彼女たちを暑い外の世界へといざなう。
彼女たちの行く先は図書館である。
友ちゃん「順子ちゃんも本借りたら?」
順子ちゃん「あ~読書感想文か‥まだいいかな~本借りても家で読めるかわかんないんだよね~」
個人差によって読書感想文の難易度は変わってくる。読書が苦手な人にとっては最高難易度を誇る。
順子ちゃんは読書が苦手というわけではないが読書がしづらい環境にあるのだ。
暑さ、虫、扇風機の風そして誘惑の4妨害が順子ちゃんの読書の集中力を下げてしまうのだ。
結果借りた本を読まないまま図書館に返してしまうだろう。
しかし、読書感想文も必須課題である。
ページ数が少なく読みやすい本を選んだほうがいいだろう。
また読む本が決まっていないなら課題図書を選ぶほうがいいだろう。
課題図書を選べばコンクールの選出ができよければ入賞することができるのだ。
対象学年別に課題図書が厳選され学習レベルに応じた内容になっているため読みやすいというメリットがある。
今回順子ちゃんたち1年生が課されている読書感想文の原稿一枚以上である。
アドバイスとして読んだ本の内容をまとめ、ネタバレにならない程度に話の大筋を書いて、面白かった点を2つか3つ書き
他の人や読んでもらいたい人におすすめのポイントを書いておくとよい。
順子ちゃん「私はプリントの方を先に終わらせるよ。読書感想文は後にする」
読書感想文のことを一旦保留にしてまずは宿題プリントを終わらせることを目標とする。
萱場家で、友ちゃんの助けも入り計算問題のプリントを5枚以上進めることができた。
図書館ではひらがなと漢字の練習プリントを中心にやってひらがなの分野を今日中に終わらせたいとのことだ。
図書館に着いた順子ちゃんと友ちゃんである。
ここから二人は別行動となり別れである。
読みたい本が見つかり次第、友ちゃんは図書館を出て帰宅するそうだ。
順子ちゃんは11時半になったら帰宅するみたいで、12時には帰ると母に約束されている。
図書館内は机と椅子があり、みんな静かに読書や勉強の集中をしている。
友ちゃんは読みたい本を探しに、順子ちゃんは空いている机を探している。
机はどれも利用者に埋められてしまって空いている机が見つからない。
みんな集中して読者や勉学に勤しんでいる。
この暑い時期に家ではなかなか作業が捗らなくて図書館に来た人も中には入るだろう。
空いている机を探していると幸助の姿があった。
順子ちゃん「おーい幸助~」彼女は他の人に迷惑をかけないように小声で幸助を呼び掛けた。
幸助(おっ順子)幸助は順子ちゃんの声に気付いて軽く手を振った。
順子ちゃん「宿題かしら?」順子ちゃんは幸助の方に近づき耳元で囁いた。
幸助「そうだよ…見ればわかるだろ…」と小声で返事した。
順子ちゃん「何時から来てるの?…」幸助「ここが開いてからすぐだよ…家だとちょっとやりづらいからよ。」
幸助は開館時間開始からすぐ、ここで夏休みの宿題をしているようだ。
この図書館の開館時間は午前9時からである。
薫の夏休みの宿題の進捗具合を知ってから、雨の日以外はほぼ毎日図書館に通って宿題をしているようだ。
幸助たち6年生の夏休みの宿題は全クラス共通で
国語、算数、理科、社会、英語の5教科にあたる5冊の30ページの問題集をすべてやることである。
合計すると150ページやらないといけない。
順子ちゃんたち1年生の宿題の約3倍の量だ。
薫の進捗は、5教科満遍なくやっていてどれも3分の2以上終わっているらしく
合計で100ページ以上はやっている計算だ。
幸助「薫には負けられないんだよ!…」順子ちゃん「そうだね!…私も…友ちゃんには負けられない!…」
二人は拳を突き合わせてフィスト・パンプした。簡単に言うとグータッチだ。
館内は静寂に包まれているが順子ちゃんと幸助は夏休みの宿題に対し熱い闘志を秘めている。
順子ちゃんは机探しを続行する。
ちょうど誰かが片付けして席が空いたので、そこで順子ちゃんは夏休みの宿題をする。
読みたい本が見つかった友ちゃんは、一度順子ちゃんに声をかけてから帰ることにした。
友ちゃん「あ!幸助君…」友ちゃんは幸助を見つけ、小声で読んだ。
順子ちゃんと同じように幸助の方に近づき耳元で囁いた。
友ちゃん「宿題頑張ってね…」幸助「お…おう…お前も順子と一緒に来てたのか…」
友ちゃん「うん…でも私は読書感想文のために本探してたの…」
幸助「なるほど…んで順子の奴探しているならあっちにいったぞ…」
友ちゃん「ありがとう…じゃあね…」幸助「ああ…じゃあな…」
幸助の指した方向に友ちゃんが行きそこで順子ちゃんが図書館の机に座って宿題をしている姿を見つけた。
友ちゃん「順子ちゃん見つけた…フフ…」順子ちゃん「友ちゃん‥やっと席が空いたよ‥」
友ちゃん「そうだね‥みんな使ってるね‥」順子ちゃん「本見つかった?」
友ちゃん「ふふ‥見つかったよ‥だからもう帰るね‥じゃあ!」順子ちゃん「うん‥じゃあね」
友ちゃんは図書館を後にした。


時刻も11時半になり順子ちゃんも図書館から出た。
もう少しでひらがなの分野の練習プリントが終わりそうだ。
帰ったら午後に続きをやろう。
日が沈むにつれ気温が下がっていくのでやりやすくなるだろう。
後は気持ちとやる気だけだ。
足早に自分の家へ帰る順子ちゃんだが三人の男子に会う。
良樹たちである。
良樹「よう順子!」順子ちゃん「良樹じゃないの!それに真木君と勇君も一緒ね」
良樹を真ん中にして3列で歩いている。
良樹の左にいるのだが北岡真木(きたおか まさき)でぽっちゃり男子で実家は自営業でラーメン店を営んでいる。
良樹の右にいるのが橘勇(たちばな ゆう)で眼鏡男子でみんなより裕福な暮らしをしている金持ちのお坊ちゃんである。
勇「こんにちは、宮沢さん。こんなところで会うなんて奇遇だね。」
順子ちゃん「私もです。会えてうれしいです。」
いつも銅鑼声の順子ちゃんだが、勇を前にすると女の子らしい可愛らしい声を発する。
良樹「あいつ勇を前にするといつも猫かぶりやがって!帰りなのか順子?」
順子ちゃん「うん、友ちゃんところに宿題しに行った後、図書館で夏休みの宿題してたの」良樹(ゲゲ!宿題!)
勇「偉いね」順子ちゃん「ふふふ~偉いでしょ~」良樹「チッ!」
良樹には銅鑼声で返すが勇だと可愛い声で返す順子ちゃん、とてもあざとい。
こんなに扱いに違いがある理由は明白だ。説明はしないでおく。
勇「もう僕は夏休みの宿題を終わらせてるよ」順子ちゃん「あら~素敵~!」
真木「ええ!もう終わってるのか?」良樹「マジか!早くねえか!」
順子ちゃん「良樹はちゃんと宿題やってるの?」良樹「な!なんで俺だけ!」
真木「俺はちゃんとやってるぞ!良樹」順子ちゃん「そうよね真木君。問題は良樹よ!」
真木の進捗具合は友ちゃんよりは劣っているがちゃんと宿題をやっていて最終日までは必ず終わらせることができる。
真木に対しても優しくしているのは北岡家が営んでいるラーメン屋の味は折り紙付きであり
彼の将来は店を引き継ぐことらしく、彼女はそれに感銘を受け尊敬しているのだ。
良樹は二人より目減りしているので手厳しく扱われてしまうが
宿題をしているか心配をしているのであって決して良樹を酷く扱っている訳ではない。
寧ろや優しく順子ちゃんなりに接してあげているのだ。
順子ちゃんと良樹の二人の関係だが、気が置けるのか置けないのか曖昧な仲である。
良樹と真木と勇の三人は、外で遊んでいてその帰りなのだ。
明日は良樹の家である高橋家に真木と勇が遊びに行く予定らしい。
良樹は夏の新作ゲームを買って遊んでいてそれにはまっている。
真木と勇も良樹と同じゲームを買っていて、通信プレイができる。
ということは専ら遊びで宿題をすることではないようだ。
順子ちゃんは良樹たちと別れ自宅に戻った。
その日の夜、部屋で予定通りひらがなの練習プリントを終わらせて次に漢字の練習プリントに進める彼女だが
良樹のことが気になった。ちゃんと宿題をしているのか怪しく思っていたのだ。
順子ちゃん「よし!こうなったら良樹の家に殴り込みよ!宿題もそこでするわよ!」
順子ちゃんは明日良樹の家に行くと勝手に自分で決めたのであった。
良樹の宿題の進捗だがまだ1つも手を付けていなかった‥。

続く

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