第14話 うさぎ大捜索
順子ちゃんが通う小学校にうさぎのマリーがやってきた。
学校でマリーを飼育することになったのは、校長先生である井村の事情があった。
井村が捨てられているマリーを見つけ、動物病院で治療して貰ったがマリーを預けるところがきまっておらず
井村の家庭では、飼育することが難しいので校長先生の立場を借りて学校で飼育することになったのだ。
マリーだけでは寂しいと思った井村はもう一羽飼おうか検討していた矢先に
親戚の知人からオスうさぎのロージを預かることになり
ロージを学校に連れていきマリーと一緒に小屋で飼育することになった。
だが小屋にオスであるロージを入れたことは大変なことを招くきっかけとなってしまう。
メスであるマリーにオスのロージが発情してしまったのである。
マリーはロージの一方的な求愛を避け、逃げ回った挙句小屋の小窓から脱走してしまった。
様子を見に来た井村がマリーとロージはいなくなったことに気付き、職員たちと協力しマリーとロージを探すのであった。
しかしマリーとロージは見つからなかった。
井村「マリーちゃん!ロージくんどこに行ったんだ~!」
そして刻一刻と日が沈みはじめる。
何人かの職員たちは帰ってしまった。
大野先生「二兎追う者は一兎も得ずか…」井村校長「う!痛い!」
大野先生が発した洒落にならないことわざが井村の心情に突き刺さる。
牛久先生「井村校長、子供たちはロージ君が来ることを楽しみに待っております…」
牛久先生「このことは明日生徒たちに伝えますが、一度臨時で講話を開かれた方がよいと思われますが…」
牛久先生は、校長先生である井村に校長講和を開くことを求めた。
井村「わかりました…ご迷惑をおかけして申し訳ございません…」
井村「これはすべて私の身勝手で起きたことです。明日、講話を開き生徒たちに説明致します。」
井村「心待ちにした生徒たちにお詫びとそして今後の対応策を検討します。」
牛久先生「承知いたしました。絶対にマリーちゃんとロージ君を見つけましょう。」
井村「はい。大野先生!私はあきらめません!」大野先生「あっはい!」
どうやら大野先生に言われたことわざが井村に響いたらしい。
大野先生はマリーとロージを探そうと奮闘する校長先生の姿を見て一挙両得で見つかることをただひたすら祈るのであった。
他の職員たちは帰宅してしまったが、大野先生と牛久先生は残って井村校長と一緒にマリーとロージを探した。
学校の外へ逃げたのではないかと思い、学校の外も捜索したが見つからなかった。
日が沈み暗くなり捜索を断念せざるを得なくなってしまった。
大野先生「すみません。見つかりませんでした。」
牛久先生「暗くなってしまいましたので、今日はあきらめるしかありませんね…」
井村「遅くまで協力していただきありがとうございます。帰りましょう。お疲れ様でした。」
大野先生と牛久先生「はい!お疲れさまでした。」
こうして井村は、マリーとロージが見つからないまま帰宅した。
もしかしたらマリーとロージが家に戻っていたのではないかと淡い期待をわずかながら感じでいた。
しかし願ってもマリーとロージが戻ってくることはなかった。
妻にマリーとロージがいなくなってしまったことを伝える。
井村の妻「学校中探してもいないってことは学校の外へ逃げってしまったと思うわね」
井村「きっとそうだ。一応、学校の外も捜索したが見つからなかった。遠くへ行ってしまったと思う。」
やはり、マリーとロージは学校の外へでて遠くへ逃げてしまったと思われる。
校門は閉まっているが、うさぎの体であれば柵の隙間から出ることができる。
井村の妻「でもどうしてかしら。マリーちゃんもロージ君も性格はおとなしいはずよ」
井村の妻「あの2羽が脱走することなんて考えられないわ」
井村「それがだな…ロージ君を小屋の中に入れてその後、小窓が開いていてそこから二羽ともいなくなったんだ。」
井村は妻にマリーとロージが脱走した経緯を話した。
井村の妻「ロージ君を小屋に入れたのがよくなったかとのかしら、喧嘩してしまったのかも」
井村の妻「それに…ほらロージ君はオスじゃない…マリーちゃんはメスだし…もしかしたら…」
井村「ハハ…ありえるかもね…。いろんな憶測は建てられるが、小屋の小窓も鍵付きにするべきだったな…」
うさぎ小屋の設計をしたのは井村本人である。
校長先生としてこの不手際は情けないと感じている。
楽しみにしている生徒たちの期待を裏切ってしまったのだ。
明日井村は、校長講和を開き校長先生としての責任を果たすべく生徒たちに説明することを決意する。
日が昇り、夜明けが訪れる。井村は暗いままだった。
マリーとロージのことを気にしてあまり眠れなかったのだ。
マリーとロージがいなくなったこと聞いて、生徒たちが悲しむ表情を思い浮かべると傷心してしまうのだ。
1秒でも早くマリーとロージを見つけなければならない。
気を引き締めて学校へ行く支度をする井村であった。
マリーとロージはどこにいるのか。
ロージの求愛は止まずマリーを追いかけていた。
マリーは身を隠しては、ロージに見つかり、見つかっては逃げ、身を隠すのを繰り返していた。
現在2羽は、那珂川の河川敷を走っている。
そこに矢崎会長は散歩している。矢崎会長は毎朝散歩するのを習慣としている。
矢崎会長「おや?」彼の後ろから2羽のうさぎが走り去っていった。
矢崎会長「お!これはめでたいのう~」
今年は兎年なので縁起が良いと感じた。
矢崎会長は2羽のうさぎが走っていくのを見届けた。
ロージ「あ~愛しのマリーよ~僕はどこへでも君についていくよ~」
マリー「しつこいわね!いつまで追いかけてくる気よ!」
おそらくマリーがあきらめない限りはロージはずっと追いかけ続けるであろう。
ロージはなぜメスうさぎのマリーにここまで執着するのか
それは彼は今までメスとは無縁の生活をしてきたからである。
元の飼い主は経済的に厳しかったためもう1羽飼う余裕がなく餌を与えるだけでやっとであった。
ロージにも発情期がやってきて、ひどいときにはぬいぐるみなど柔らかいものにマウンティングするような行為が見られた。
最終的には手放し、学校に預けることになったが元飼い主は愛育してくれた。
正反対にマリーは飼い主から虐待を受け餌を与えてもらえないこともあった。
捨てられしまい路頭に迷うことになったが井村に拾われた。
最初は戸惑いもあり警戒もしていたが、餌は十分すぎるほど与えられ自分を愛してくれる存在に出会うなど
悠々自適ともいえる快適な暮らしができると思っていたが
ロージというオスうさぎが小屋に現れ、すべて壊されそうになってしまう。
何が起きるかわからないがしばらくこのオスうさぎのロージと暮らさなければならないだろう。
だがそれをマリーは受け入れることができず小屋から脱走し今もこうしてロージから逃げているのだ。
小屋を脱走したことで心配するものがいるはずであるが彼女は気にも留めなかった。
友ちゃん「おはよう順子ちゃん」順子ちゃん「おはよう友ちゃん」
二人はいつものように元気よく登校していた。
今日の友ちゃんはいつになく明るく軽快な足取りで順子ちゃんと一緒に登校している。
友ちゃん「ふふ~」順子ちゃん「ロージ君と合うのが楽しみだね。」
友ちゃん「うん!」彼女はうさぎのロージが学校に来るのを楽しみにしている生徒の一人である。
友ちゃん「学校についたら早速見に行かない?」順子ちゃん「それいいね!」
二人は学校に着いてすぐにうさぎ小屋に行った。
友ちゃん「あれ?いない…」順子ちゃん「マリーちゃんもいないね」
うさぎ小屋には1羽もいなかった。
友ちゃん「どうしたのかな?」順子ちゃん「とりあえず教室に行こうか」
二人は教室に行きクラスメイトと会話した後、清水先生が教室に入ってきた。
清水先生「今日は校長先生からみんなにお話があります。みなさん体育館に集まってください。」
清水先生の指示で1年3組全員体育館に向かった。
そして体育館に全校生徒が集まった。
井村は全校生徒の前に立ち校長講話が開かれた。
ご多分に洩れず校長先生の話は長い。
要約するとマリーとロージがいなくなってしまったことを伝え、原因は管理体制の甘さとうさぎ小屋の設計の不備があったと説明し
職員たちと生徒たちに丁寧な言葉で謝罪し今後の対応策を講じるとのことだった。
校長先生の話を聞いてマリーとロージが行方不明になったことを聞いて落ち込む生徒が何人かいた。
こうなることは避けられなかった。
一番落ち込んでしまったのは友ちゃんである。
マリーの飼育がきっかけで友達が増え、そしてロージと合うのを心待ちにしていたのだ。
順子ちゃん「残念だね…友ちゃん…」
友ちゃん「マリーちゃんになにかあったらどうしよう…ロージ君も…」彼女はいなくなってしまったあの2羽のことが心配になる。
順子ちゃん「大丈夫よ!校長先生たちが血眼になって探してくれるから!」
友ちゃんは校長先生たちがマリーとロージを見つけてくれることを信じて授業を受けた。
捜索用のチラシを作成し、井村は寺宇治教頭と昨日に引き続きマリーとロージの捜索をする。
できればお昼休みが始まる直前までにマリーとロージを見つけたい。
井村は市役所や交番に捜索を依頼した。
寺宇治教頭は許可を頂いてスーパーや街路灯などに捜索用のチラシを貼り、近所の人や市内の人々に知らせた。
そして町内会の矢崎会長に会いに行き捜索の協力を仰ぐ。
寺宇治教頭「お疲れ様です。矢崎会長」 矢崎会長「おう!寺宇治!うまくやってるか?」
寺宇治教頭「ぼちぼちです。」 矢崎会長「そうか。うちにくるなんて珍しいな。なにかあったのか?」
寺宇治教頭「はい実は、うさぎ2羽が学校の小屋から出て行ってしまいまして、その2羽を探しているのですが会長も協力をお願いしたいのです。」
捜索用のチラシを矢崎会長に見せた。
そのチラシにはマリーとロージが写っている。
矢崎会長「な!なんと!」このうさぎには見覚えがあったのだ。
矢崎会長「わし、このうさぎに見覚えがあるぞ!朝那珂川の河川敷でこの2羽が走っていた!」
寺宇治教頭「なんですって!」
すぐに寺宇治教頭は井村校長に連絡した。
矢崎会長から2羽のうさぎが那珂川の河川敷で見かけたとの情報があり、井村校長はちょうど交番にいたのでその情報を警察と共有する。
井村「急いで那珂川の河川敷に向かいます!」
寺宇治教頭「有力な情報をありがとうございます。」矢崎会長「たまたま散歩してた時に見かけただけさ。俺も一緒に探す!」
矢崎会長もマリーとロージを探し協力する。
井村校長と寺宇治教頭、そして矢崎会長の三人が那珂川の河川敷に向かった。
その後に警察が一人合流し警察犬も連れてきた。
この辺りを通ったことで、その痕跡を辿るため警察犬の嗅覚を利用してマリーとロージを探し出すという策である。
しかしマリーとロージが通った場所にはたどり着くことができたが、警察犬は同じ場所を何度も行ったり来たりしてしまう。
結局、2時間ほど探したが2羽のうさぎを見つけることができなかった。
警察側はうさぎの捜索を一旦保留とし、後日捜索はパトロールと併用するそうだ。
この警察犬は訓練所から借りてきたものでまだ見習いであったがマリーとロージが通った場所に確実に導いてくれた。
分かったことは同じ場所を動きまわり、那珂川の河川敷や水戸市街地の公園や路地裏などを通っていたことだ。
ペットの捜索は優先順位が低く、警察が大掛かりで捜索することはない。
人身事故や刑事事件など法や人の命にかかわるようなことを取り締まるのが警察の仕事なので
百歩譲ってそちらを優先するべきである。
この後も、三人はマリーとロージを探したが見つからない。
井村「う…!」井村は地面に膝を付いた。顔色が少し良くなかった。
寺宇治教頭「井村校長!大丈夫ですか?」
井村は遅くまで2羽を探していて、夜はあまり眠れなかったのである。
矢崎会長「一度学校に戻られてはいかがですか?私が捜索を続けますので」
寺宇治教頭「ありがとうございます。井村校長、一度学校に戻りましょう。」
井村「申し訳ございません…また回復次第合流します。」
こうして井村校長と寺宇治教頭は学校に戻るのであった。
とうとうマリーとロージが見つからないまま、学校はお昼休みの時間になった。
井村は保健室のベットで横になり休んでいた。
保健室に、順子ちゃんと友ちゃんが入ってきた。
校長先生が保健室で休んでいるのを知り、二人がやってきたのだ。
期待に沿えず、まだマリーとロージは見つかっていない。そのことは彼女たちにも知られている。
彼は情けない気持ちでいっぱいであった。
友ちゃん「校長先生、私もマリーちゃんとロージ君を探します」 順子ちゃん「私たちも手伝います」
井村「君たち…」二人は、マリーとロージを探したいそうだ。
生徒たちの気持ちは自分と同じであったことが嬉しかった。
「私も協力するわ」保健室にもうひとり入ってきたのは6年の桂里奈である。
井村「浅見さん…ありがとうございます。」
桂里奈「力になりたいのです。このままじっとなんてしていられません!」
桂里奈は困ったときはいつも助けに来てくれる。
今回も桂里奈に任せることにし順子ちゃんと友ちゃんにも捜索をお願いした。
井村「あまり無理しないでね。暗くなってきたらすぐにお家に帰るんですよ。」
桂里奈「はいわかりました。」
順子ちゃんと友ちゃんと桂里奈の三人は放課後、マリーとロージを捜索することになったのだ。
桂里奈と一緒なら心強い。井村たちが捜索した場所を今度は順子ちゃんたちが見に行くことにした。
話によると、那珂川の河川敷や水戸市街地の公園や路地裏など通っていて何度も繰り返し通っているらしい。
桂里奈「ここは手分けして探したほうがいいわね。」
順子ちゃんは那珂川の河川敷に、桂里奈は水戸市街地の路地裏、友ちゃんは公園に向かうことにした。
だがその直後に幸助と薫が邪魔をするかのように声をかけてきた。
薫「あの例のうさぎを探す気か?先生らが探しても見つからなかったんだからやめとけよ」
桂里奈「何よあんた達!邪魔しないでよ!」順子ちゃん「そうよ!良い子は早く家に帰って寝なさい!」
幸助「うるせえ!俺たちは忠告してやっただけだ!その言葉そのままそっくり返すぜ!早く帰りな!」
桂里奈「ふん!!!相手にするだけ無駄ね!さあ二人とも行きましょう!」友ちゃん「うん‥」
しかし幸助と薫は三人の後ろをついてくる。
桂里奈「なんでついてくるのよ!」幸助「そっちこそついてくるな!ここは帰り道なんだよ!」
三人の歩く道は幸助と薫がよく通る帰り道なのだ。
三人は足早に行き、できるだけ幸助と薫に合わないように三人はそれぞれ分かれてマリーとロージを探しに行った。
その後、幸助と薫も別れて、それぞれ違う道を歩いたが、薫は友ちゃんが自分が通る帰り道を歩いていた。
薫「なんであいつが通っているんだよ‥」
友ちゃんは公園に向かっていて、薫の帰り道はこの公園の付近を歩くため、ちょうど同じ道を歩いてしまったのだ。
友ちゃんとは1年生対抗障害物リレーの件で少し距離が縮まったがそれでも気まずく
彼女に会いたくない彼は歩くペースを遅くして違う道を通ろうとした。
順子ちゃん「あ!会長!」矢崎会長「おう順子ちゃん!それに幸助!」
順子ちゃん「え!?」幸助「げ、なんでおっさんが!?」
幸助の帰り道は那珂川の河川敷の付近を通るため、順子ちゃんに気付かれないように後ろを歩いていたが
突然矢崎会長に会い気付かされてしまう。
順子ちゃん「うさぎのマリーちゃんのロージ君を探しているの。会長も手伝ってほしいの!」
矢崎会長「おう!わしもそうなんじゃ!井村校長と寺宇治に頼まれてのう~」
矢崎会長「それにしても幸助も協力してくれるなんてわしは嬉しいぞ」
幸助「いやここで俺の帰り道で‥」矢崎会長「よーしみんな協力して探すぞよ!!」順子ちゃん「おーー!」
幸助「お‥おう‥」幸助は父から矢崎会長のことを知り元暴走族であり怒らすと危険である。
いろいろ世話になっていることもあり矢崎会長には頭が上がらない幸助で渋々うさぎの捜索をやる羽目になった。
順子ちゃん「マリーちゃん!ロージ君!どこ」彼女はごみ箱は開け中をあさったりした。
幸助「そんなとこにいるわけないだろ」矢崎会長「なるほどそういう着眼点もいいな!」
そういった場所にうさぎが隠れている可能性はある。ごみ箱であれば、生ごみの野菜を食べていることだってあり得る。
幸助「そうなのかな‥へえ~」どうも矢崎会長が言うとどこか説得力があると思ってしまう幸助である。
矢崎会長曰く、先ほど那珂川の河川敷何度か見に行ったか、マリーとロージの姿は見られなかったらしい。
なので他の場所で探そうとした。これから路地裏と公園あたりに向かうこととした。
マリーとロージだが公園に向かって2羽が走っていた。
ロージ「マリーーー!」マリー「もういい加減にして!」
マリーは限界に達していた。ロージ追いかけらのがうんざりであった。
マリーは一度止まった。ロージは構わずマリーにくっついた。
ロージ「ああマリー、やっとこの僕を受け入れくれたのか」マリー「いや!離して!」
マリーはロージを突き飛ばした。
マリー「あんたは何も知らないのよ!私はどんなつらい思いをしたのか!」ロージ「え‥」
マリーはつらい過去のことをロージに話したのだ。
そのままマリーは走って公園の方へ行った。ロージもマリーを追いかけた。
公園では、一人の男性がブランコに乗っていた。
男性「くそ~5万負けた~これからどうすれゃいいんだ…」
その男性は無職であり、パチンコに明け暮れていた。
男性は貯金がなく、消費者金融で借金しており返済日が迫ってきているのだ。
しかし手持ちの金額はすべてパチンコに吸われてしまった。
男性は立ち行かなくなってしまったのだ。
マリー「あ!‥」公園の中に入ったマリーは男性を見つめる。
男性「あのうさぎは!」マリー「あああああ」
マリーはこの男性に虐待された過去があるのだ。そうこの男性こそがマリーの元飼い主である。
元飼い主「捨ててやったはずだが!また虐められたくて俺様のところに戻って来たのか?」マリー「い‥いや‥」
マリーは逃げようとしたがあっけなく捕まり、元飼い主はマリーの両耳を掴んだ。
マリー「痛い!」元飼い主はサンドバックのようにマリーを殴る。
このようにパチンコで負けた時のストレスを発散するためマリーに暴力を振るうのだ。
これは疑いようがない動物虐待なのだ。
ロージ「やめろ!!」ロージはマリーを助けるべく彼は飛び上がりマリーの元飼い主の顔に飛び蹴りした。
元飼い主「ち!てめえ!仲間でもできたのか!」
何もやってをやっても上手くいかない男はマリーに順調な暮らしぶりを見せられたようで血が上ってしまう。
マリーとロージの2羽はこの男の逆鱗に触れる。
元飼い主「このやろーー!」マリー「キャーー」
元飼い主の男はマリーを投げ飛ばした。
ロージ「ぐは!」男はロージを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたロージは公園の滑り台にぶつかる。
元飼い主「俺をコケにしやがって!クリス許さんぞ!」クリスとは、元飼い主がつけた名前である。
マリー「ううやだ!やめて!」男はマリーに近づき暴力を振るおうとする。
ロージ「マリー!」ロージはマリーを庇い守ろうとした。
マリー「あんた‥なにやってるの!」ロージ「マリー!!僕は君を守る!」
元飼い主「こんなやつを守る気か!いいだろう!まずはお前から痛めつけてやるよ!」ロージ「うううぐ!」
ロージはマリーの元飼い主の男に足で踏みつけられる。
ロージ「マリー逃げるんだ!」マリー「どうして私なんかに!」
ロージ「僕は君を愛したいんだ!君とあれやこれやしたい!!」マリー「なによそれ!」
下心丸出しではしたないが、体を張ってメスうさぎのマリーを守る、オスうさぎのロージである。
ロージ「うううう!早く逃げろマリー‥」マリー「え‥でも‥」
マリーはロージを置いて逃げることはできなかった。
公園に向かう友ちゃんは、大きな声が公園から響き彼女は公園へと辿り着く。
するとそこには一人の男性が2羽のうさぎに暴力を振っている。
その2羽のうさぎがマリーとロージだと気付いた友ちゃんは止めさせようと男性の足を掴んだ。
友ちゃん「マリーちゃんとロージ君いじめないで!」元飼い主「なに!?この2羽うさぎの飼い主か!」
マリー「あ!あの子は!」元飼い主「離せこの野郎!」友ちゃん「あう!!」
友ちゃんは元飼い主の男に強くお腹を蹴られた。
あまりの痛さに彼女はお腹を抱えしゃがみこんでしまう。
元飼い主「しっかりしつけねえどだめじゃねえかよ!俺が教育してやるよ!」
友ちゃん「あ!う!」元飼い主「おらおらおら!」
男の暴力の矛先は友ちゃんに向かい彼女の体を何度も蹴りを入れる。
友ちゃん「痛い!痛い!やめて!」元飼い主「俺にはもう後がねえんだ!はは覚悟しろ!」
ついに男は理性を失い、動物虐待のみならず子供にまで暴力を振るようなる。
薫「え‥」公園の近くを通る薫は、友ちゃんが男に暴行されているの目撃する。
薫「え‥どうすんだよ‥これ」この緊迫とした状況に戸惑う薫。
薫は友ちゃんを助けるのかそれとも逃げるのか‥。
続く…
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