第42話 歪んだ正義
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東京タワーの爆破テロ計画を巡りメンバー同士が対立し議論が進まない中、リーダー赤城によってメスが入る。
だがそれは花の提案をそのまま吞み込んだ滝川に自爆特攻させる危険な作戦だったのだ。
部下であり、そして仲間を計画の駒として扱う赤城に怒りのサイレンを鳴らす。
林「貴様!仲間をなんだと思っているんだ!」
赤城「私と同じく理想郷を求めし同胞、そして私の大事な心の一部だ。」
そういう赤城だが彼の言動とはかなりの乖離が見られる。
紆余曲折はあるものの犯罪組織の中では結束力があると思われたがその実態は赤城の冷徹さがあった。
鶴の一声で決まってしまうならいったいこの作戦会議は何だったのか、やる意味はあったのかと疑問が浮かんでしまう。
花の意見には反発していた滝川だったが赤城の前では言葉が出ず委縮してしまっている。
仕方なく従って頭を下げてやってしまうとまた犠牲者が増えてしまう。
困惑してる今ならこれは異常であると滝川も気付いてくれるはずだ。
林「滝川!奴の言っていることに従うことはない!!」
林「これは明らかにおかしい!!目を覚ませ!」
林は滝川に赤城の信仰心から目を覚まさせようと訴えかけている。
滝川(林さん…)
ある意味で報復であり、林を自分の考えた計画の一部にして巻き込もうとしていたが、今まさに滝川はその報いを受けようとしている。
それなのに庇うように前に立って赤城に抗議している。
滝川はただじっと林が赤城に立ち向かう姿を見ることしかできなかった。
赤城「もちろん強制じゃないよ」
赤城「不本意ではあるけど滝川殿が嫌ならやらなくてもいいよ」
不本意という言葉が滝川の心に罪悪感という種を植え付ける。
滝川「あ…アミュ様…」
断ればそれはすなわち赤城に対する信仰心、神の意向に背く行為になってしまう。
滝川は下を向き体を震わせる。
強制ではないと言っているので自分の身を投げ出すような危険なことはしなくていいのだ。
林「奴が言っているようにやる必要はない。計画は白紙だ。」
林がやることは全て決まっている。
滝川に「辞退」という意味が込められた白旗を持たせて振らせてやることと
ただひたすらに「白紙」という名のカードを何度破られてでも出していくことである。
しかし滝川が辞退することが林の期待であるのだが滝川本人は口を開かず自分の言葉で断ると言えなかった。
花と山本から指摘を受けていて、計画が進まない状況に陥ってしまった原因は自分にあると滝川は自覚している。
辞退すれば林の思い通りになり、白紙が通ることになり計画が進まない要因にさらに拍車をかけていく。
また山本は赤い怒りの炎を燃え上がらせ、火山の噴火の如く怒りは頂点に達してしまうだろう。
そして今後メンバー同士の連携も難しくなるだろう。
こうなってしまうことは滝川も計算外だったはずだ。
自分の命を優先するのは至極真っ当な選択であり別の方法を考えるべきである。
しかし東京タワーを警察たちが総力を挙げて全力で守ろうとしている理由は人的被害と経済損失
それだけではなく国家の存亡を脅かされるに等しいからだ。
組織側が開示した情報だから、それに従って今できることはやっているからに過ぎないが
情報管理を誰よりも徹底してきたであろう滝川が公開するような形で情報を漏らしてしまったのが原因なのだ。
ここであきらめて他のことを考えても浮かんだ案は全て小手先になって無駄な労力になりかねない。
もっと他に大きな計画が控えているが東京タワーの爆破テロが次に繋げられる大きな布石となるため手段を選べない。
一方で組織側は東京タワーを攻めるのをあきらめて他を攻めてくるだろうと警察側が読んでいる可能性もあり
警察側が仕掛けた罠へ林が誘導していることにもなる。
山本「おいどうなんだよ!滝川!」
沈黙を続けてその場を凌ごうとしている滝川を逃さないように失態を問い詰めながらも返事を強要する山本。
まるで高いところから飛び降りるのを躊躇う人の背中を強く体当たりするかのように見える。
まさに命綱のないバンジージャンプをさせるかのようだ。
だが計画が進まなくなったのが滝川のせいだとしてもここまで仕打ちを受けるのは決してよいものとは言えない。
滝川「くっ…」
花「フッざまあみろね!」
花「黙っているってことは自分の命がよっぽど大事だってことね。」
花「他人の命は粗末にするくせに!この薄情者め!」
皮肉を込めたように花はひっそりと保身に走ろうとする滝川を批判する。
林「いい加減にしろ花!!」
倫理観のない花の発言に林は頭に血が上る。
花「秀人!なんであんな奴庇うのよ!!」
花「滝川はあなたに何をさせようとしたかわかっているでしょ!?」
仲間意識があるにしろなぜそこまで滝川を庇うのか花にはわからなかった。
好きな人でも大事な人でもやっていいことと悪いことの区別をちゃんと付けてくれる中止してくれることが林の魅力なのだ。
だがここは常識の場所で林はそこに身を置いていてその異常さを全身に刺さるほど感じている。
心に迷いがある今なら滝川にこの異常さを気づかせようとめけずに林は訴えかける。
林「彼の様子を見ての通り、彼にこの作戦は荷が重すぎる。」
林「仲間を大事にしているのならすぐに止めるべきだ!」
滝川の気持ちを代弁するかのように林は赤城にそう言った。
リーダーとして尊敬している赤城の気持ちに応えたい、山本の怒りを鎮めたい
そして失敗を取り返したいという気持ちとは裏腹に自分の命を引き換えにすることへの難しさがそこにあるのだ。
だから前に進む一歩も後ろに下がる一歩も踏み込出せない。
例え考えが浮かんだものがインパクトが小さいものでも赤城たちが求めているものに一歩でも近づくことが大事である。
だが結局やっていることは犯罪なので林にとってはやぶさかではない。
赤城「う~ん滝川殿はどうしたいのか聞きたいんだけどね~」
赤城「無理なら仕方ないかな~」
不貞腐れた赤城の表情が感情を揺さぶる。
滝川は目をつむり申し訳なく思っているが少しだけ安堵の息を漏らす。
反対に林はあの不満げな赤城の顔を見て怒りが込み上げてくる。
仲間が大事だから仕方ないというあきらめではなく、自分の計画が思うように進まないことへの不満にしか見えず
その不快そうな顔をさらに不快にさせてやろうかと殴りたい気持ちでいっぱいになっている。
しかし乱暴になりそうなのは山本の方である。
山本「おい!!滝川!!くそ!!」
山本はテーブルを強く叩きつけた。
林「山本!!気持ちはわかるが仲間を思う気持ちがお前にはあるのか!?」
東京タワーに対する恨みは山本の思い込みを含まれていると思われるが仲間を犠牲にして成し遂げるようなものでないはずだ。
林「例えどんな恨みやいかなる理由があっても誰かの犠牲の上で成り立つ平和もお前たちが目指す理想の世界は絶対にない!!」
これが赤城そしてアミュ真仙教に対する林の訴えで彼の正義である。
また休憩室で語った山本への答えでもある。
赤城「じゃああきらめて泣き寝入りしろとでも言うのかな?」
急に赤城の表情は真剣になり一瞬にして場の空気は張り詰めた。
赤城「寧ろ誰かの犠牲の上でこの世界は成り立っているんだと思うんだよね。」
林「なんだと!?何が言いたいんだ!?」
林の発言とは180度違うことを言ってきた赤城。
赤城「林殿は立派な警察になったのは絶え間ない努力、そして実力と運があったからだと思うんだよね」
赤城「数々の試練を乗り越え狭きを門を潜り抜けたその先を進んでいる。」
赤城「でも林殿の後ろにはその狭き門を潜り抜けることができずふるいにかけられた人も沢山いるんだと思うんだよね」
林「その彼らが犠牲者でも言いたいのか!?なぜそれと結びつける?」
林「そう言って自分たちがしていることが正しいと思い込んでいるんだろ!」
警察の適性試験の不合格者と犯行計画の過程で犠牲になった人を赤城は強引に結びつけようとしている。
世の中上手くいかないことの嘆きを唱えるにしてもここまでに至ることはないはずである。
双方を照らし合わせて見ても共通の部分があろうがなかろうが性質は全く異なるため
論点をすり替えてあたかも自分たちのしていることを正当化しているのに過ぎない。
赤城の詭弁や話術、そして言葉遊びには決して惑わされない。
赤城「これは失敬、まあただ1つ例に挙げただけのことだよ。」
赤城「共感してくれるかなって思ったけどこれは少々強引だったね。」
赤城「だけど私は何も間違っていないし、私のしていることは全て正しいのさ」
林の反論に堂々と開き直る赤城。
そして自分の言動は全て正しいのだと言い切っており自信を神だと名乗る所以もそういった彼の体質からきているのかもしれない。
アミュ真仙教という組織はトップの我儘によって揺れ動いていて不安な組織であることが明らかになった。
赤城「だがこれだけは伝えたい!この世界はここまで文明が栄えたのは革命を起こした人々なのだと!」
高らかにそう言いながら、赤城は立ち上がりに天を仰ぐように両腕を広げた。
赤城「滝川殿が城壁を壊す大槍になってくれればあなたは英雄になれたのに残念だね」
林「ふざけるな!」
本当に滝川が人柱になることを望んでいることがさらに赤城の発言で明らかになった。
滝川「アミュ様…この私…滝川が城壁を貫き活路を導く大槍となりましょう…」
赤城「ありがとう滝川殿」
林「正気か!!滝川!?」
なんと滝川が東京タワーの爆破テロの成功のため警察の守備陣営に自爆特攻することを表明してしまった。
慎重に議論を重ねたわけでもなく納得の行く話し合いもできたわけでもない
さらに滝川がやることに合理性があったわけでもなく自分から決心したわけでもなく赤城の一声二声で決まったのである。
あんなに戸惑っていたのだからその危険性はもちろん死という恐怖を全身で味わっているはずだ。
死に急ごうとする滝川の肩に手を置いて林は彼を止めようとした。
林「早まるな滝川!!自分がこれから何をするのかわかっているのか!?」
滝川「離してください!林さん、そうやって私に優しくして好感を得ようとしているのですね?その手には乗りません」
滝川「私の心はアミュ様と共にある。それに山本さんもこれなら納得するでしょ?」
山本「フン!焦らしやがって!」
林の手を払いのけ彼の意見も一蹴する。
至って正常な林の意見なのにそれを聞かず赤城に忠誠を誓うのは明らかに異常であり洗脳されてしまっている。
赤城が言った英雄という言葉に魅力を感じてしまったのだろうか。
そこまでして赤城のご機嫌を取ろうとするのか理解できない。
赤城の期待に応えるためさらに山本を落ち着かせるためとはいえ割に合わない。
いつまで経っても前に進まないから一歩前に勇気を出したにしても決断に至るまであまりにも早すぎる。
だがあの滝川の戸惑いはなんだったのか。
きっと滝川の心の中に僅かでも揺らぎや迷いはあったはずだ。
一夜を共に過ごしてみて滝川は箱でも潰しが効きそうな優秀な人材だと林は勝手ながら思っていた。
その才能をこんなくだらないことに潰してはいけないと思い
林は「白紙」というカードの代わりに「別案」というカードを出した。
林「俺は別に滝川から好感を得ようなんて思っていない」
林「だが俺からしてみれば滝川は才能があって優秀な人だと思う」
林「いい加減目を覚ますんだ!お前はここで終わっていい人間じゃない!」
滝川(才能…)
また滝川の心が少しだけ揺らぐ。
林「えっと誰か誘拐するとか、どこか違うところを狙うとか他にあるだろ?」
本来の林なら自らの過ちを認めて自首しろというのだが術であるが
それでは本人は引き下がらないだろうしさらに山本に刺激を与えかねない。
だから「白紙」のカードの代わりに「別案」のカードを出したということである。
警察らしからぬではあるが林の意見はどれも全てやり尽くされたことであり具体性もない。
赤城「林殿は元警察でありまだ同胞になったばかりだから無理にしなくてもいいよ」
林「なぜ俺なんだ?無理しなくていいって言われるのは滝川の方だろ!」
やはり赤城には見透かされているが言葉をかける相手を間違っている。
無理しなくていいよと言葉を向ける相手は滝川なのである。
赤城「滝川殿はやる気なんだ。止めはしないよ。彼の意見を尊重したいからね」
林「くっ汚いぞ!赤城!!」
強制ではないが滝川が決断すると計算したかのように赤城の狡猾さが見受けられる。
滝川「才能があっても私は誰も受け入れてもらえませんでした。」
滝川「ですが!私の才能を認めてくださったのがアミュ様なんです!」
滝川は林に言われた才能という言葉に過去のことを思い出し、自分の才能は認められなかったと嘆く。
赤城の言う世の中上手くいかないのはなぜかという理由になっているのかもしれない。
誰にも才能を認められないという滝川の言葉は彼の辛い過去を物語っているようだ。
そして赤城と出会って滝川の才能が彼に認められて今に至ってこれほどまでに忠誠心が強いものになったのだろう。
彼れらの目指すべき理想郷ないし思想の先には滝川の才能が、多くの人々、そしてみんなは認められる世界なのだろうか。
そうだとしても肝心の本人が志半ばでいなくなってしまうので聞こえはいいように見えて全然よろしくない。
林「だから言っているだろう!他の手段を探そうと!」
林「滝川の才能はきっと他でも役に立てるはずだ。」
赤城「その他の手段ってなんなんだい?」
赤城「林殿の場合は話し合いをしてお互い納得するような平和的な解決を望んでいるんじゃないのかな?」
林「ああ!決して悪いことはないはずだ。」
話し合いでの平和的な解決こそが林の理想である。
堂々と胸を張ってそれを主張する林。
何事もなかった、何の問題もなかったつまり何も進まなかったのが林の望んでいる会議の結果なのだ。
赤城「話し合いで解決できるなら我々もそれを望んでいるよ。」
赤城「山本殿がいい例だ。林殿も事情は彼の話から知っているよね。」
赤城の視線は山本の方に向けられる。
苛立っていた落ち着きがなかった山本も、滝川が決断したのもあって嵐が過ぎ去ったように静かになる。
赤城「山本殿はあの東京タワーの建設計画の闇を暴こうとしていた。」
赤城「署名活動や団体を結成するなど林殿の言うようにあなたが望むような話し合いという真っ当な手段でね」
赤城「でも山本殿の努力は報われず政府は何も取り合ってもらえずおまけにメディアも何一つも取り上げてくれなかったんだ。」
赤城「なんで取り合ってもらえないか知っている?」
赤城「上の者たちは保身のため不都合な真実を隠さないければいけないからだよ。」
山本の悲劇的な過去を話したがそれは社会の闇を表すかのようだった。
警察として治安を守ってきて日々新しい情報を取り入れて触れて勉学にも勤しんでいたつもりだったが
林でもその裏で山本が見えないところで苦しみながらも活動していたことは知らなかった。
メディアという媒体や出版業界が公開しなかっただけで林の目に届かなかったのだ。
山本の言っていることは信じられない部分もあるがどこか真実味を帯びていた。
すでに林が生まれる前から東京タワーは建てられていて当たり前のように存在していて頭の中で情景が浮かぶほど見ているが
当時その建築現場についてその管理体制はずさんで命綱なしで行われたことを山本の話を聞くまでわからなかった。
山本の父の死の真相を知りたかっただけでもよかったのに
何も成果をあげられずメディアも一切取り上げられず闇へと葬り去られてしまっている。
赤城も言っているが政府など権力者の圧力があることは否定できないだろう。
犯行計画で何度も取り上げているように東京タワーが偽りの赤い塔だと呼ぶのは山本の怒りが込められているからだろう。
犠牲の上で世界が成り立っているという言葉は赤城が軽はずみで言ったものでは決してなく
山本を始めそれぞれの思いが結集してリーダーの赤城を中心とした犯罪組織アミュ真仙教が誕生したのだ。
同情の余地もあるが彼らのしていることは罪のない人々を犠牲にしてしまうことである。
彼らの思いを踏みにじってしまうが罪のない人々が理不尽に扱われることは絶対によいものではない。
元警察と言われようとも林はこれを看過することはできないので抗議を続けていく。
林「お前たちのしていることは国や政府への復讐だけじゃない」
林「罪のない人々を傷つける行為なんだぞ!」
林の発言は渋谷のサリンによって被害を受けた人々や人質となり殺害されてしまった丸山たちの思いが込められている。
赤城「罪のない人々…山本殿もここにいるみんなも全員罪のない人々だった。」
林「当たり前だろ!!しつこいぞ!!」
今度は性善説でも唱えるつもりか、赤城の哲学的な話は付いていけない。
しかし赤城はそうではないようで真剣な眼差しを林に向ける。
赤城「なぜ不当に扱われてきた彼らをあきらめろというか!」
赤城「彼らはどんな思いでここにいるのかわかっているのかね?」
赤城「彼らの苦しみを知らない、知ろうとしない者たちは全員罪人だ。」
赤城「あきらめろの言葉だけで片付けられては彼らは報われない」
赤城「彼らの苦しみをこのまま風化させるわけにはいかないんだよ!」
赤城の主張、言葉一つ一つがアミュ真仙教の存在意義を表している。
茂田井も自身の過去に思いを馳せながら口を開く。
茂田井「お前も政府からいいように扱われ搾取されている。」
茂田井「使い物にならなければすぐに見切りをつけて捨てられる。それが運命だ。」
茂田井「見ただろ?テレビで上の連中はもうお前を見捨てている。」
茂田井「それだけじゃねえ、面目が丸つぶれにならないように有耶無耶にしている。」
彼の発言も的を射ている感じのようで林の心を突き刺す。
テレビの向こうで話している警察の上の立場の人たちは林の言及については消極的でありあまり踏み込んだことは言ってなかった。
現在組織の一員であり組織の敵となっていることは林自身承知のことである。
このような状況に陥らせたのは組織の画策であるため、不当に扱われてしまった身だから
彼らの行動理念に疑問ばかりが浮かんでしまい、全てを信じて彼らと歩むことは到底できない。
政府の方に軍人として身を置いていた茂田井が搾取されたと言うほど
過酷な過去があったと思われるがその話を自ら話さず未だ明かしていない。
無知でも搾取されたとしても人々たちを赤城の行動理念の基に犠牲にさせてよいものか。
このままでは滝川だけでなく大勢の人まで被害が拡大してしまう。
後戻りががきない彼らはただ前進するのみでしかなく何を言っても話は聞いてくれない。
会議の結末は滝川が人柱になることで決着がつく。
そんな時、突然花の携帯電話から着信音が鳴る。
花「何よ!こんな時に!!」
花「あれ?」
応答しようとしたがその直後に通話が切れてしまった。
番号を確認すると竹原のものであった。
花「申し訳ございませんアミュ様、一旦席を外させていただきます」
赤城「わかったよ」
折り返し電話をしようと思ったが煮詰まってきた会議を台無しにしたくなかったので部屋を出ることにした。
花「もう!!竹原!!私をコケにして!許さないんだから!ん?」
部屋を出て廊下の隅で携帯を確認するとメール1件の受信があった。
花「え?どういうこと?」
そのメールの内容はアジトの住所を忘れたから教えてほしいとの竹原のメッセージだったのだ。
しかし千葉のアジトの方にいるメンバーの中でアジトの住所を知っているのは猿江のみで
彼らから教えてもらうなり聞いてもらうなりすればいいのだが
わざわざメールまでして聞いてくるのか花にとっては不自然に感じていた。
それもそのはずそのメールの送り主は竹原ではなくそれに成りすました警察の組織犯罪対策課4課の一条なのだ。
花はこのメールの違和感に気づいてくれるのだろうか。
続く