第40話 情報戦
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テレビの向こうで警察と消防のトップの二人が林を断罪の意を示す姿を見て
林は魂が抜けたかのように膝が砕け跪いてしまう。
彼らから目に映るものは、林が犯罪組織と繋がりを持っていたという失望しかない。
人質を助けるために自分を犠牲に組織の仲間になったがそれは大きな間違いだった。
人質を救えないだけでなく林の出処進退どころの騒ぎでは収まらず警察全体の信用が墜ちる危機にまで発展している。
たった一人の警察の背信行為は全てを台無しにする禁忌なのだ。
犯罪組織に加担すること自体絶対にやってはいけないことで
いかなる理由があっても断固として拒否することがいかに大事が痛感した。
生の執着から逃れられず組織の術中に嵌められてしまっただけに過ぎなかったということだ。
死の瀬戸際のような状況で林以外で組織の仲間になることを拒否する選択を続けることが人がいたのだろうか。
精神的に追い詰められて、天井に背を向けて跪いている林に家入は優しく彼の背中をさするが
赤城はそれを見兼ねて林に手を差し伸べる。
これが赤城のお得意の洗脳だ。
まさにこの時を待っていたかのようだ。
赤城が差し伸べた手を繋いでしまえば林は信者となり組織と繋がりを本当に持ってしまう。
涙で赤くなった林の目は赤城の顔と手を見ながら交互に動く。
受け入れて前に進むも地獄、反発してこの先に起きる危険と向き合うの地獄だ。
交互に動く目は前と後ろから迫り来る壁を見ているようで林が板挟みのような状況に立たされている。
赤城「さあおいで、我々と共に歩もう…」
その声はとても慈愛に満ちたような温もりがあり傷ついた林の心を包み込むように見える。
しかしこのような状況に落として入れたのは紛れもなく赤城たちアミュ真仙教である。
だが林ないし警察一人をマインドコントロールするような計画は当初にはなかったはずで
林とメンバーの花が恋に落ちてできた偶然の産物なのである。
今更林を咎めても仕方ないが彼が不憫でならない。
林の背中をさする家入はただ彼の行く末を見守ることしかできない。
林(家さん…)
家入の手の温もりを背中から感じた林は勇気付けられゆっくり赤城から家入の方に視線を向けた。
赤城の言った一人じゃないという言葉を真に受けるのも皮肉だがそばには家入と川代がいる。
批判を受けることを承知で敢えて組織に寝返ったのは家入と川代を守るためだ。
残念ながら丸山たちは助けることができなかったが
友として警察としての誇りを持って二人だけでも生きてこの組織から脱出させたい。
そしてあわよくばこのアミュ真仙教の全ての闇を暴露させてやりたい。
温かい家入の手が林の消えかけていた警察の魂に再び日を灯し
家入と川代を助けたいという一心で自分を奮い立たせ赤城の手を借りず自らの足腰ですっくと林は立ち上がった。
林「言ったはずだ俺はお前たちが二人に危害を加えないことを条件にここにいると」
組織の仲間になることは人質がいるから仕方がないともっともらしい主張で押しのけ、風当たりが強い中でも敵対する意思を貫いた。
家入(林さん!!)
川代(へへ!そうでなくちゃだな!林!!)
組織の親玉である赤城相手に堂々と対立する林の姿を見て今だけは頼もしく感じた。
計画のためいいように扱われてしまうだろうが悪の仮面を被っても心までは乗っ取ることができないはずだ。
正義の心を宿したダークヒーローと呼ぶに相応しいか。
手の払いのけるようなことはしなかったので赤城に刺激を与えず
敵対する姿勢を崩さずに周りから反感を買わないように慎重に立ち回っているのが見て取れる。
赤城「食堂でも林殿は同じようなことを言っていたね。」
赤城「もちろん約束は守るよ」
茂田井「この期に及んでまだ敵意は見えるというのか…大したものだな」
茂田井「だがどう取り繕ってもお前は二度と警察には戻ることはできない。」
茂田井「やつらはお前を敵としか見ていない。」
かなり鋭い指摘だが林は怯まなかった。
林「いいさ、東京タワーの爆破テロ計画については山本という男から聞いた。」
林「東京タワーは包囲されて守りを固めてくるはずだから慎重になったほうがいいんじゃないか?」
林「組織の顔で知られているのは俺の顔だけだから」
林「警察は血眼になって俺を捜索するだろうから、俺をどう扱うかお手並み拝見と行こうじゃないか。」
赤城「ふふ面白いこれが背水の陣とも呼ぶのかな」
警察は林秀人を全勢力を上げて捜査するとテレビで報道されていたので彼の発言は嘘ではない。
組織が開示した情報を基に警察は動いているためこの対応の仕方は当然である。
次の計画にもなっている東京タワーの爆破テロは一筋縄ではいかず迂闊に攻めれば一瞬で制圧されてしまうのは目に見えている。
だから山本は苛立っていて余計なことをした滝川を静かに怒りの矛先を向けているのだ。
全体的に今後の活動にについて見直さなければいけない上に林の扱いにも慎重にならなければいけない。
家入と川代を人質にされていることが足枷となっているが二人の存在が林の生きる原動力にもなっている。
四面楚歌で崖っぷちの状態に立たされた林の扱いを間違えてしまうと赤城たちも道連れとなり崖に真っ逆さまになる。
背水の陣とは逃げ場のない絶体絶命の状況でも全力で戦い抜いていく意味でありまさに林がその立場に置かれた人物だ。
崖の上で敵に囲まれながらあきらめずに戦う林を想像した時勝機を見出して逆転することを願いたい。
しかし赤城には気まぐれという名の飛び道具を持っている。
身代金取引の約束を放棄しているため家入と川代を生かすという約束を守らず殺害することも否定できない。
あれは滝川たちが勝手に決めたことであり赤城が直接下した訳ではない。
だが赤城ないしアミュ様の信仰心の下に計画が進行しているため
都合が悪くなれば林たちは排除されるし必要なくなればその時点でお役御免で首が吹っ飛ぶだろう。
想像通りに林が自分の力を最大限に発揮して戦うことは難しいだろう。
一定の距離が保っているのなら尚更で飛び道具を持っている赤城が有勢である。
苦しんでいる林を見るのは本当に辛いものだが諦めずに立ち向かう彼を見ると胸が熱くなる。
花(秀人、こんなにあなたを追い詰めて本当にごめんなさい…)
林をここまで追い詰めた張本人は花であるため彼女は心の中で申し訳なく思っていた。
上位層の人から怒りを受けたことで相当精神的にダメージを受けているはずだ。
なんとか踏みとどまって意地を見せているが平然を装う体には大きな傷が刻まれてしまったであろう。
並の人では立っていられないしおかしくなってしまう。
花(でもあなたはこんな状況でも諦めないなんて本当にカッコいいわ…)
林だって交番で勤務するごくごく普通の警察官である。
こんな状況でもなぜ諦めないのか、なぜ立ち上がれるのか
そこまでして友のこと思い大事にできるのか、これが林の人柄であり普通の警察官にはない彼の魅力なのだろう。
花(そっか…私が秀人を好きになったのはこういうことだったのかも)
林に惚れたのかことに腑に落ちた花だった。
彼のために組織を裏切る覚悟で長沼に組織の資料と千葉のアジトの住所を渡したのに長沼は失敗してしまった。
組織に身を置いているため、それ以外の誰かに頼むしかなかった。
丸山の失敗は残念に思うがもし成功していた場合
こちらの計画は失敗になり、人質たちは救出されニュースでは猿江たちが逮捕されたと報道されていただろう。
そうなっていたらどうなってしまっていたのか赤城たちの顔は青ざめ、笑っている場合じゃないし
林もそして人質である家入も川代も出し渋っていられないため計画を早め汚れ役でもなんでもさせて最悪直ちに処分されることも考えられる。
今回花の作戦が失敗したならその後の長沼の行方が気になるところである。
だがもうあの男は関わることはないはずなので気にせず次の策を考えるべきだ。
後、なぜ竹原はメールで計画の一部内容を変更すると報告してきたのだろうか。
人質の顔を隠して殺害すると言って実際にそれをやって視聴者や全国民に恐怖を与え警察に影響を及ばしたと同時に
アミュ真仙教の怖さを思い知らせることには成功したがだったら
人質の顔をさらけ出したままの状態で殺害すればリアリティもあってさらに恐怖を与えることができたはずだ。
どのような形でも予定通り計画が進んでくれればそれでいいのでやり方については何も問わない。
メールで報告してきた意図を未だに理解できないが違和感には何となく気づいてはいる。
花はロビーに出て竹原に電話した。
花(なんで出ないのよ!)
しかし何度電話をかけても竹原は応答しなかった。
花(片付けとかで忙しいのかしら?)
きっと遺体の処理や足が付かないための後始末をしていて忙しいから電話に出ないのだと思っていた。
花(しょうがないわね。滝川がダメって言うけどやっぱりメールの方がいいわ)
滝川にはメールでのやり取りはしないようにと注意されたが
今まで竹原とはメールでやり取りしていて漏洩リスクよりも記録を残せることと情報共有の利便性に魅力を感じていたからそうしてきたのだ。
このままでは不在着信ばかりが履歴で残ってしまうため花はいつも通りメールを一通送った。
彼らが見えないところでは着実に警察たちは仕込みを始めている。
花が竹原に電話をしたが応答しなかったのは
竹原たちは既に警察に逮捕され彼らのあらゆる所持品や通信機器は全て警察の手の中にあるからだ。
現在竹原の携帯を所持しているのが組織犯罪対策課4課の一条なのだ。
もうすでに竹原の携帯を使って情報操作に成功している。
2回同じ電話番号から着信がありその後メールが1件届いた。
あのフェイク映像を花が真に受け千葉のアジトに滞在する彼らの安否や状況を確認するために連絡したに違いない。
案の定、メールのメッセージの内容は状況確認をして欲しいとのことであった。
着信音が鳴った時、一条の手元にあったが隣に鈴平と相談し完全に怪しまれてしまうので応答しなかったのだ。
竹原の声や口調を真似することができないのが応答しなかった理由の1つにもなり
おそらく花は竹原本人に電話を掛けたと思うので
竹原のような若い男性の声じゃなくて声の低いおじいさんのような声を聞いたらきっと驚くはずだ。
また傍にメンバーの誰かと一緒にいるかもしれない。
花の傍にいるのが組織のメンバーか協力者ないし林なのかもわからない。
次の行動を考えるとまずは竹原たちがアジトに戻ってからになるだろう。
竹原たちが戻って来なければそこで彼女も異変に気付くと思われる。
気付かれればなりふり構わず計画を早める可能性や大きく変えてくる可能性もあり人質はもちろん林の身も危険が生じる。
あれは作戦だったから仕方ないが人質殺害のフェイク映像を本物としてみて
さらに会見によって公開された鬼頭上官と消防総監の林に対する叱責は相当彼を追い詰めたはずだ。
林の精神状態が気になり一刻を争う。
彼の心が闇に染まれば犯罪組織のメンバーとして計画の手助けを全身全霊でやってしまう恐れがある。
一切の妥協なしに暴走し社会に混乱し恐怖を与える存在になってしまうこと
そして何も失うものがない者がすることはそれ以上に恐ろしいものはない。
警察ないし一条たちの作戦で誰かを犠牲になってしまうことは絶対に避けなければいけない。
いつか事件が解決したとしても社会に大きな傷跡を残してしまっては警察のしたことへの責任が問われることになる。
後味が悪くならないようにできればこれ以上犠牲者は出したくない。
安田たちは東京タワーでの取引は組織側が一方的に放棄し交渉は決裂したと見なし
一条は鈴平をテレビ局に残してそれぞれ警察本部に戻って行った。
鬼頭上官の会見後、この後のテレビ番組の進行だが
犯罪に詳しい専門家やコメンテーターが参加し今後の犯罪組織の動向を予想し
警察はどう対策し、国民たちはそれに巻き込まれないようにどう対応していけばいいのか
意見交換していくような内容になっておりそれが生放送で公開される。
出演者の中には事情を知っている人がいて組織犯罪対策課4課の鈴平も参加している。
出演者のほとんどが事情を知らないがアミュ真仙教の今まで起こした大事件は
日本中で無視できないものになっており興味関心を持つ人は大勢いてその中で選ばれた出演者たちが代弁者となる。
アミュ真仙教の実態を知りテレビを通して発信するのがメディアの役目である。
メディアの扱いを注意しなれば外部に情報が漏れていってしまう。
今この時こそが警察と組織との情報戦が始まっているのだ。
出演者たちはまずアミュ真仙教とは何か知りたいので
それに一番詳しい鈴平を中心に質疑応答を繰り広げられる番組が展開すると予想される。
現在の状況について鈴平は言葉を選びながら組織に悟られないように慎重に発言している。
質疑に対し鈴平は重苦しく淡々と語っていく。
時として鋭い質問が飛び込んでくるがその中でも警察職員である林秀人の背信行為について言及される。
その質問に対しては答えることができないとした。
捜査に支障をきたす場合は相手の気持ちを配慮した上で回答する立場にないとするのが定石である。
もっとも林の精神状態しかり沽券に関わる部分でもある。
渋谷でのサリン放出と爆破から誘拐と人質の殺害までの大事件を受け警察はどう対応し捜査をしてきたかの質問
そして捜査した過程で知り得た情報はないかという質問を受けた。
核心を突くような情報つまりアミュ真仙教の情報を持っているということは口が裂けても言えず伏せなければいけない。
だが何一つ答えられない訳ではなく捜査で知り得た情報はいくつかある。
順を追って説明しながらも鈴平は開示できる情報とできない情報を頭で整理して述べていく。
サリン放出事件の数日前に起きていた蔵冨興業の殺害事件と関連していると話
南平台町にある蔵冨興業の工場を調べたがもぬけの殻からであったこと
事件の犯人を捕まえたが黙秘を貫いてたことと彼らが収監されている府中刑務所で
自爆テロが起き、その時に乗じて彼らは脱獄したことが組織と関係している裏付けとして確実なものになっていると説明する。
アミュ真仙教と蔵冨興業は繋がっていると判断し、
蔵冨興業も対象に入れて捜査していくと鈴平は警察の代表としてそう述べた。
国民一人一人ができることとしては不審な人物や動きを見かけたら直ちに通報することを投げかけた。
国民全員の目が監視となれば組織ら行動を抑制することができる。
これが組織に悟られずに刺激を加えることができる最善策だ。
模範解答的以上の発言であるが鈴平から言わせれば自分の持っている情報の中から公言できるものを選んだに過ぎない。
林を捕まえて操るほどの手練れがメンバーの中にいて入念に準備してきている証拠であり
警察は一筋縄ではいかない障壁であるとあちらも理解しているはずだ。
一度破壊された壁を修復するだけじゃなく二度と壊れない壁を築き上げることができ
次の攻撃に備えて最大限に対策を取る、そう言ったことをして治安を守っていくのが警察であると
組織側にイメージ通りのものを見せつけたと思っていい。
これも警察の作戦であり組織の予想通りであって都合よく思われて結構だ。
脱獄犯の顔は全て把握しているので捜査の対象に含め指名手配犯として再び広報していくと対応した。
本部に戻った安田と一条はテレビで番組の一部始終と鈴平が専門家やコメンテーターと議論を交わす姿を見ていた。
プレッシャーもあり発言にも細心の注意を払わなければいけない中、鬼頭上官に負けず劣らず強く主張している。
長年の経験や幾つかの修羅場を乗り越えた鈴平の風格は圧倒的な存在感を見せつけている。
緊張感や重い空気を漂わせているのが鈴平であり番組の主役はまさに彼だ。
安田「結構テレビを慣れしてますな~」
一条「本当に鈴平さんには頭が上がりやせんよ~」
実は一条はあのような公の場で顔を出して話すのが苦手なのだ。
だから代わりに鈴平がテレビに出演したという経緯にもなっている。
警察の威厳も示すなら鈴平の方が適任である。
戦況は両者それぞれの領土内で睨み合っていて相手の出方を伺っている状態だ。
表ではアミュ真仙教が優勢であるが裏では警察が優勢で情報戦においては優れている。
組織の動きを待ってその都度対応するだけでは犠牲者が出るのは確実だ。
あちらの思い通りにさせないためにも敵の本拠地に乗り込んで人質の救出と組織を崩壊させてやるべきだ。
そして林には組織を欺くために潜入捜査を行わせていたと報じれば安田の株も上がったりである。
また人質殺害の映像がフェイクであることが分かった時は
批判的な意見も多少は出ると思われるが警察の巧妙な作戦であると評価される。
安田「林が心配だ。もうこんなところでじっとしている場合じゃねえ」
一条「俺もそうしたいが生憎、敵のアジトがどこにあるのかわからねえんだよな」
長沼が届けてくれた資料にはメンバーの名前が記載されていたが顔はなく文字だけであり
他は犯行計画だがそれが暗号めいた復唱し難い文言になっている。
丸山たちが連れていかれた千葉のアジトの住所は別途メモの用紙に添えられていた。
仲間同士で足が付かないように紙媒体などに記録を残さず頭で記憶して共有していたと考えられる。
また何度も拠点を変えて潜伏しているのも考えられそうだ。
4課の田所メンバーの情報から経歴を調べているのだが特にリーダーの赤城に関する経歴やデータが1つもなかった。
いろいろ謎多き人物だが他のメンバーの経歴をしらみつぶしで調べ中である。
安田「だったら捕まえた連中にアジトがどこか聞けばいいんじゃねえか?」
一条「もちろんそっちもしてるさ。だけどそれも簡単にはいかねえんだよな」
一条「どいつもこいつも猿江って男だけしかアジトの住所がわかんねえんだとよ」
安田「なんだと!?そいつも捕まってるんだろ?」
一条「ああ!だがその肝心の男が口を開かねえんだよ!」
蔵冨興業の殺害事件の囚人たちを彷彿とされるが
責任を擦り付け合っているところが悪質で、まるで時間稼ぎしているようで小賢しい。
一条「おそらく猿江って男以外は本拠地がどこか本当に知らないんだろうな。」
一条「つまり重鎮以外の連中はただ指示を聞いて動くだけの駒だったって訳さ。」
安田「捕まえたメンバーのほとんどがトカゲの尻尾ってことか!」
安田「猿江って男が詳しいならどんな手段を使っても吐かせないとならねえな。」
収穫はゼロではなく一人だけだが猿江という男がアジトの本拠地がどこにあるか知ってる重要な人物だ。
今も口を閉ざしており彼らが崇拝するアミュ様に忠誠を誓うか如く使命を全うしている。
彼が口を開くまで粘り強く取り調べするしかないだろう。
だがそこまでゆっくりしている暇はない。
あと一歩で届きそうで届かないのが歯がゆい。
一条は竹原の携帯のメールを見て花にどのような返事を送るか悩んでいた。
ふと一条はいい考えを思い付く。
一条「いい考えを思い付いたぜ!」
一条「メールで直接あの女にアジトの場所はどこか聞いてみようぜ!」
安田「その手があったか!」
すぐに一条は再び竹原になりすましメールでアジトに戻る際に住所を忘れてしまったので
確認のため住所を教えて欲しいという旨のメッセージを花に送った。
果たして上手くいくのだろうか…。
続く