第31話 カオスなアジト
※この小説にはプロモーションが含まれています。
捕まった林たちが辿り着いた場所はアミュ真仙教の本拠地である。
見た目は年期がある錆びた旅館のようだが館内は照明によって賑やかに輝いていて現役ぶりを見せる。
しかしこの暗い森に囲まれた場所にポツンと一軒あるというのはどこか物寂しい雰囲気だが。
家入が最初捕まった時に連れられた場所とは違うところであり
人里離れた場所で彼らは身を潜めていることがわかる。
この先に何が待ち受けるのか
恐怖と絶望を胸に秘め、一歩一歩犯罪組織のアジトに踏み入れるのであった。
身動きができない状態であるが林がいるだけでも心強く
組織の立場でありながら家入たちをどうにか助けようと考えている花の存在が
わずかにも安堵と希望をもたらしてくれている。
滝川「あなたたちの処遇はアミュ様が決めます。」
滝川「あの方はとても気まぐれな方でございます。」
滝川「くれぐれも粗相のないように…」
川代「なんだと!!ざけんな!!」
家入「川代さん!そんな暴れないで」
林「落ち着けよ川代!ここがどこだがわかっているのか?」
家入と林は川代を落ち着かせる。
アミュ様と呼ばれているが家入は知っていて本名は赤城真弥である。
赤城こそがアミュ真仙教の首謀者なのだ。
組織を総べるものとして赤城を信用しているそうだがどちらかというと神格化しているように見える。
リーダーの前では不適切な言動や行動は慎めという意味で粗相がないようにと滝川は言ったが
それに対して川代は怒りを覚えてしまう。
渋谷を初め、テロ事件を起こし人々や仲間危険にさらした連中が、自分たちがやったことを棚に上げて
今のように滝川が発言するのだから川代は感情が抑えきれなくなってしまったのだ。
しかしここは敵の領域であり危険地帯でもある。
こちらが牙を向けばあちらは銃口を向けられるそんな危機感を川代には持ってほしいところだ。
何度も注意しているが川代は相変わらず落ち着きがない。
その落ち着きのなさがさらなる危険に陥る恐れがあり心配になる。
警察である林がそばにいてくれるから威張ることができてまだ助かるという希望を持ち続けている。
まるで各上の犬に対して吠える、飼い主と散歩しているチワワのようだ。
滝川「家入さんの処遇が気になりますね」
家入「え?」
滝川「あなたは我々の傘下からまた人質に転身しましたからね」
滝川「これはアミュ様の意志に背く行為です。さぞお怒りになるでしょう」
家入は組織の仲間から人質に戻ることになったがこれが裏切り行為とみなされてしまうようだ。
殺されるか組織の一員となりテロ計画に加担するかの究極の選択を迫れた家入は
命が惜しいがために仲間になることを選んだが、役割は身内に警察がいるため警察から情報を得て
組織に伝達するのが家入の役割であった。
林を捕まえることができ計画も順調に進んでいることからほぼ役割を終えた家入は立場が危うくなっている状況だ。
部下のままであれば何かしら役割を得られるかと思われるが
きっと誰かを傷つけてしまう恐れがあるため人質に戻るのは家入なりの賢明な判断ではある。
人質に戻ってしまうと赤城を裏切ってしまうことになる。
滝川は家入の処遇について言及したが、死の宣告を受けたかのように家入は感じた。
しかしそうはさせないのが林である。
林「家さんも川代も殺させはしない!」
家入「林さん、僕死にたくないです‥」
川代「俺だって…」
家入と川代は林に涙もろい目で懇願する。
林(お前らだけでも救ってやる‥そして少しでも組織の情報を盗んでやる!)
林(これが俺の警察としての最後の使命だ!)
反社会的勢力に関わった林は二度と警察に戻れないと覚悟していた。
どんな罰則でも受けるつもりではあるがその前に警察としての使命を果たそうとし
命に代えても家入と川代だけでも助ける心の中で誓うのであった。
大学時代と新聞配達員時代の友であり、旅行に行ったり、食事したりと
親の顔よりも見てきた二人は大切な存在なのだ。
自分はどうなってもいいと決意を胸にする林だが、
残虐非道な組織の得体の知れないアジトに踏み入ったその先の見通しはまったく見えない。
このアジトの中でさらに恐ろしい計画を企ているかもしれないと思うと林の胸を締め付け彼の心の中を抉ってくる。
事前情報なしで踏み込んだも同然でいつの間にか罠に引っかかっていたなんてこともありえるため油断はできない。
周りは敵だらけで震えている林の手を花は握った。
林(花…)
花は林の目をあわせ、あなたは一人じゃないと心で訴えかけているようだ。
花は林を愛人としてみているようだが林からすれば花は組織の一員であり氷魚を殺した張本人なのだ。
花の存在が林を反社と関わり持っていると確固たるものにしている。
彼女とどう接していいか未だにわからない林である。
後戻りもできない、警察に戻れない、家入と川代と一緒に過ごす当たり前の日常に戻ることができない
残酷な現実を容赦なく林に突きつけてくる。
中に入り廊下を歩いていると壁には何枚もの絵が飾られている。
どんな意図で描いたのかわからなず理解に苦しむ奇妙な絵が描かれていて、訪問者をおかしな空間へと引き込もうとしている。
川代「なんなんだこの絵は?」
家入「変な絵だね」
家入と川代は理解に苦しみお世辞にも上手いとは言えず壁に何枚も飾られた絵を酷評する。
全体的に黒い雰囲気と悲壮感が漂う絵で女性のような人物を描いていることは伝わるのだが
肌の色は青く黒く四肢は変な方向に曲がっていてもはや人ではない何かが描かれているようだ。
「なんだ!俺の絵に文句があるのか!?」
絵を不評する川代たちに一人の男が怒った顔で近寄ってきた。
見た目は白髪が目立つほど老けていて小太りな50歳から60歳くらいの男性である。
滝川「新田さん、これまた随分個性的な絵を描きますね。」
絵画の主はこの男らしく名前は新田である。
家入「新田ってあの有名な芸術家の?」
川代「えっこの人が?」
有名な美術科であることに川代は驚くが、家入はこの人物を知っているそうである。
家入「美しくて綺麗な女性の絵を描くんですよ、何度も美術館に行ってこの人の絵もよく見ていました。」
家入「入場料が安いとか無料のとこばかりでしたがあなたの絵はとても繊細で美しい絵でした。」
家入「なのに…なんで?」
有名な美術家と呼ばれている新田が家入が言うにそれ相応の実力であり
女性の美しい曲線を描くことができることに定評があり細部にもこだわりを持って描き込まれていて
絵の世界観に入ってしまいそうなほど彼の作家性は優れていた。
数々の美術館や芸術館に入場して多くの芸術作品を見てきた家入の中で新田の絵もお気に入りの中に入っていった。
そんな彼がなぜアミュ真仙教という犯罪組織のアジトにいるのだろうか。
ある日の境に活動を休止し数年経ってしまったが、その段階でこの組織に入ったのではないかと思われる。
今ではこんな全盛期とはかけ離れた、彼の魅力を180度失ってしまいそうな絵ばかりを描いている。
絵の方向性を変えたのかもしれないがよからぬ方向に進んでしまっている。
川代「ちなみにさ!この絵は一体何なんだ?」
ストレートにこの絵は何か新田に尋ねる川代。
新田「この絵はな…俺の母さんなんだ。」
川代「は!?これがあんたの母親の絵だって!?」
家入「もっと綺麗で美しい絵が描けたはずなのにどうしてこんな風に…」
川代「まったくその通りだぜ!」
新田「俺の母さんは80歳ぐらいの頃に認知症になってしまったな…」
家入「それで介護のために…」
話を聞いてかなり深刻そうなようで家入と川代に静まり返った。
新田「ああ…それでも並行して絵を描こうとしたが何も浮かばなくて頭真っ白になっちまった。」
親の介護で新田の心は疲弊して苦しみ相当精神的に追い詰められてしまったのだろう。
今こうして飾られている奇抜な絵画たちが新田の心情を表しているようだった。
新田「貯金を切り崩しながら母さんの介護生活したよ、税金や医療費とかいろいろ支払ったら」
新田「あっという間にそこが尽きて金の工面に苦労したよ」
新田「生活保護を申請したけど運が悪いのかいいのか芸術家の時にかなり金を稼ぎよかったせいで認めてらえなかった。」
新田「売れる絵を描けばいいだろって言われてな…俺の才能はとっくに枯れちまったのに…」
新田「絵が描けなくなった俺をあざ笑うかのように世間も政府も見捨てられしまった。」
新田「絶望に打ちひしがれた俺をアミュ様が救ってくれた。」
新田「アミュ様は俺の母さんのために介護資金を提供してくださったのだ!」
新田「母は90歳くらいに死んでしまったがアミュ様のおかげで幸せそうだった。」
これが新田がこの組織の一員になった動機である。
赤城が新田に資金を提供し心の支えになっていたのだろう。
話を聞くだけだと彼らのリーダーは優しい人のように思われるが
なぜアミュ真仙教というテロ事件を起こすほどの凶悪な組織を結成したのだろうか。
親の介護を通して新田は支援されずに見捨てられたことに対して世間や政府に大きな恨みを持っているに違いない。
新田のように政府に恨みや信念を持った似たような境遇の人が集まって生まれた集団なのかもしれない。
山本もなぜ東京タワーにこだわり破壊することに執着していることを見るに何かしら恨みを持っていることになる。
山本「ところでアミュ様はどこにいらっしゃいますか?」
新田「まだ東京から帰られておりません。」
そう聞いて家入はホッとする。
家入(もう捕まっていたらいいのにな…)
まだ東京から帰ってきていないようだが実は赤城は警察に捕まっていたという奇跡的な展開を家入は期待していた。
それを裏付けるものとして花が長沼にアミュ真仙教に重要書類を渡して警察に渡すように依頼している。
警察のもとにその書類が届けば林たちは救われる手立てはある。
気づかれていないので今はこうして悟られないように怯えていたほうが無難である。
後ろで滝川が誰かと携帯で連絡しているようだ。
滝川「はい…はい…わかりました。」
滝川「アミュ様は早朝に戻ってくるそうです。」
連絡先は赤城だったみたいだが同時に赤城は警察に捕まっていないことがわかる。
疲労困憊であるが夜が明け赤城が帰還して家入が人質に戻った事実を知れば殺されるかもしれない。
そのようなことで夜も眠れなくなりそうだ。
滝川「家入さん、アミュ様がお戻りになるまでが猶予ですよ。」
滝川「人質に戻ったことについては話していませんので」
滝川「今のうち心を入れ替えて私たちと行動を共にしませんか?川代さんも」
川代「へ!ごめんだぜ!」
家入「う…僕は…」
川代は即答で拒否するが、家入は言葉に詰まる口に出せない。
すると林が家入と川代の前に庇うように前に立つ。
林「家さんと川代は絶対に殺させはしない!」
そう言って林を家入と川代で守り抜くと強く宣言する。
赤城との交渉で、林は家入と川代を殺さないことを条件で話し合うと予想される。
それが林がこの組織側にいる存在意義となるだろう。
人質がいることで林の行動は制限されているが、二人の身に何かあれば手段を選ばす組織に損害を与えてくるだろうから
あちらも林の扱いに慎重になってくるはずだ。
赤城がどのような判断を下すかは、彼が戻った時までわからないが
家入と川代を生かすことを条件に林を使役すると思っていいだろう。
その一方で林も警察官としての意思を貫き通し牽制するように出方を伺い
思い通りにはならないと表明し状況を上手くコントロールしていきたいところだろう。
そのためには花の協力が必要だ。
林「花、俺は家さんと川代を守りたい。」
林「協力してくれれば喜んで君たちの作戦に協力しよう」
花とはすでにあっちで恋人の関係を築いたがもっと距離を縮めて家入と川代を救うための味方につけて有利になるのが林の作戦だ。
組織全体の中で花はどの位置にいるかで状況は変わってくるが
単独での行動が許されていそうなので中堅ぐらいの立ち位置とみていいかもしれない。
花は笑顔で返答する。
花「ええ、秀人もちろんよ」
花「あっちでも同じようなこと言ってたわね」
滝川はため息をして花に警戒するように鋭い視線を向ける。
滝川「我々はアミュ様の名の下に計画を遂行する使者です。」
滝川「アミュ様以外の者に思いを寄せるとは道理に外れてけしからんと思います。」
滝川「それはつまりアミュ様の意思に背く行為です。」
アジトの奥に進む一行に重い空気が漂い緊張感が走る。
行動は制限されているとはいえ林は警察であり組織側にとっては警戒すべき脅威となる敵対勢力なのだ。
花「いいえきっとアミュ様は私と秀人の幸せを応援してくださると思うわ」
林「そうだね!俺と花は幸せに暮らすんだ!」
恋人のように林と花は笑顔でお互い顔を近づけさせる。
花「うふふふ!秀人嬉しいわ!」
川代「フン!勝手にしろ!」
まさかこんな形で恋愛が成就するとはシュールすぎる。
家入はそんな二人を見て苦笑いした。
しかしこれは林の作戦ではないかと家入はそう信じていた。
こんな場所でこんな状況で二人が幸せを願ってほしいのかそうではないのかいろいろ複雑になる。
アジトの奥へ進みその先々で衝撃的な光景が目に映る。
奇声を上げながらヨガをしているのか踊っているのかわからないことをしている人や
何語で話しているかわからないが神に祈っているような感じで呪文を唱えている人もいた。
多分アミュ様こと赤城のことを思っての祈りだろう。
さらにあぐらをかきながら目をつむり瞑想している人がいるが体を弾ませ変な方向に進んで迷走している人もいる。
他にもいろいろ奇抜そうな人がいるが、真面目そうな滝川と山本とは対照的であり
近寄り難く関わりたくない連中だ。
赤城が戻ってくるまではアジトで一夜を過ごすことになるので着替えのため更衣室を案内された。
山本「ここが更衣室だ。このロッカーの中に服がある着替えろ」
コインローカーのようだが有料用ではなくリターン用である。
山本「このコインロッカーは通常の硬貨ではなく、これを使う」
専用のコインを使用するらしいのだがそのコインを見て林と川代は仰天した。
林「こっこれは!」
川代「おい!これって!」
なんと専用のコインは富本銭だったのだ。
林と川代の二人が見つけた氷魚の遺体の口の中に富本銭が入っていた。
ダイイングメッセージ的な何かと思われたがその真相は謎のままだったがそれが今明らかになった。
富本銭はこのアジトで使われているようだ。
コインロッカーの中に入っていたのは無地の白い道着のような服だった。
これを着ていると宗教団体の信者になった気分だ。
お腹の音を鳴らす川代と家入、そして林。
家入「あ~午後から何も食べてなかったな…」
滝川「お腹すきましたか、何か食べたほうがいいですね」
滝川「ついてきてください」
そう言われて食べるところへ案内された林たち。
遠慮しようと思っていたが腹の音が鳴りお腹が空いたと本音を漏らしたも同然。
だったら何か腹に入れて次に備えたほうがいい。
滝川の後についていった林たちは広い場所に辿り着き木製のダイニングテーブルと椅子がずらりと並び
奥には厨房が見えその窓口がありいかにも食堂らしい場所だ。
一見するとまともそうに見えたがその期待を一瞬で裏切り、食堂のサイドの壁の中央に奇妙な絵が飾られている。
こんな絵が描けるのは先程会った新田しかいない。
その絵は廊下で見たものとは一線を画すほど強烈な絵だった。
大きな木に見立てて幹と根は人の肌色で樹幹の部分は人の髪の毛を模したアフロのような見た目で
一番奇妙なのは木の実が人の顔で描かれていることだ。
さらにそれをリアルで描かれているため気持ち悪く見えて食堂についた人の食欲を失せてしまいそうだ。
その絵画の名前は「セイメイノキ」と書かれていた。
さらに食堂内にはサイケデリックような音楽が流れていた。
雑に適当に音を並べたかのようなリズムも心地よさもない不協和音のようで聴いているだけで頭がおかしくなる。
ここも居心地が悪そうな場所でも厨房からとてもいいにおいがしてそれだけが救いだった。
川代「こんな時間でもやっているんだな」
夜遅い時間帯でも食事している人が何人いて厨房も汗水垂らして料理する人たちがいた。
滝川「私たちみたいに夜遅く帰ることもあるので24時間食堂は稼働しているんですよ」
滝川「厨房の調理当番は交代制で私たちもここで料理をしてます。」
花「私もここで料理しているのよ」
川代「あ~そういうことだったのか…」
ここの食堂の厨房は交代制のようで滝川も花もここで当番をしていて料理していたそうである。
最初にあった時の花は飲食店でバイトしていたと言っていたがある意味嘘ではないようで
当時川代は花の手料理が上手く惚れていたがそれを思い出して顔が赤くなり恥ずかしくなってしまった。
花が料理が上手いのはこういった経験をしたからであり
アミュレットで滝川が自信ありげに作ったハンバーグを家入は食べたが今まで食べてきた中で一二を争うほど美味しかった。
こんなことができたなら二人は他の道もあっただろうにと思えてしまう。
滝川「お近づきのしるしに奢りましょうか?」
川代「何?お金払うのか?」
林たちは現在手元にお金を持っていないため、このままでは食事にありつけることができない。
そこで滝川が林たちに食事を奢ろうとしている。
餌付けでもして好意的な関係を築こうと企んでいるのか疑い深くなるが
ここまで来た以上はとことん甘えてやろうと素直に滝川に奢ってもらおうとした。
しかし花が滝川に水を差すように介入してきた。
花「秀人は私が奢るから!」
林「すみませんが私は花に奢ってもらいます。」
家入(正直僕も花さんに奢ってらいたかったな…)
滝川に借りができないように林は花に奢ってもらったほうがいいかもしれない。
滝川「どれか好きなものを選んでください」
滝川「ちなみにここで使われる通貨はこれです」
専用の通貨を使うようだがまさかの富本銭だった。
家入「あの~これってなんですか?いつの時代のお金なんですか?」
歴史が苦手な家入は率直に滝川が持っている富本銭に指差してこれは何か尋ねた。
滝川「富本銭と言って飛鳥時代のお金です。現在最古の貨幣なのですよ」
家入「へっへえ~」
富本銭は西暦683年頃飛鳥時代に日本の貨幣で和同開珎(西暦708年)よりも古い現在最古の貨幣である。
状態にもよるが富本銭は数百万円の評価額がつく。
富本銭がなぜが日常的に大量に出回っているのか疑問だが色味や状態から作られたものであり
銅やアルミで製造したと思われ100パーセント偽造だろう。
家入「あの~これっていいんですか?」
林「う~んグレーだね…いやアウトかも…」
犯罪の可能性はありそうで通貨偽造の罪があるが無法地帯なところにいるのでなんでもありかもしれない。
アジトで使われる富本銭は通常の通貨から換金して入手することが1枚100円がレートとなっている。
筆でお品書き書かれていて家入はきつねうどん、林はかつ丼、川代はうな重を注文した。
値段だがきつねうどんが富本銭6枚(600円)、かつ丼が富本銭7枚(700円)である。
川代が威張って高いのを注文したらしくそのうな重は富本銭12枚(1200円)する。
値段設定は普通かちょっと高いくらいだがある品に家入は目が飛び出すほど驚く。
家入「林さん!川代さん!あれ見てください!」
川代「は!?マジかよ!!」
林も川代もそれを見たとき驚愕した。
その一品は「アミュ様の足湯」でありなんと富本銭が1000枚必要でつまり100万円ということだ。
川代「こんなの誰が飲むんだよーー!」
アミュ真仙教のアジトで一夜すことになった家入と林と川代。
そこは三人を翻弄するほど奇妙で未知の領域だった。
彼らに待ち受けるものはとは一体何なのか…。
続く
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